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建築設備士の受験資格は?実務経験や申告方法について解説【2025年最新版】

建築設備士の受験資格は?実務経験や申告方法について解説【2025年最新版】

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建築設備士の受験資格は、学歴・実務経験・保有資格に応じて条件が定められています

建物の空調・給排水・電気設備などに関する専門知識が求められる資格ですが、受験には一定の条件を満たす必要があります。

「自分が建築設備士を受験できるのか分からない」「学歴や実務経験ごとの条件を知りたい」と感じる方も多いでしょう。

本記事では、建築設備士の受験資格を、学歴別の必要な実務経験年数や認められる職務内容など、迷いやすいポイントごとにわかりやすく解説します。

建築設備士の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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建築設備士の受験資格

建築設備士の受験資格は、大きく「学歴+実務」「資格+実務」「実務のみ」の3区分に分類されます。

自分の学歴や資格、実務経験を踏まえた上で受験資格を満たすか確認しましょう。

① 学歴+実務

「学歴+実務」の区分における受験資格は下表の通りです。まずは、自分が該当するかを確認していきましょう。

番号 最終卒業学校または資格・課程 建築設備に関する実務経験年数
1 大学(新制大学、旧制大学)
正規の建築、機械、電気又はこれらと同等と認められる類似の課程
卒業後2年以上
2 短期大学、高等専門学校、旧専門学校
卒業4年以上
3 高等学校、旧中等学校
卒業後6年以上
4 イ:専修学校(専門課程)(修業年限が4年以上かつ120単位以上を修了した者)
ロ:イに該当する専修学校(専門課程)以外の専修学校(専門課程)(修業年限が2年以上かつ60単位以上を修了した者)
ハ:イ・ロに該当する専修学校(専門課程)以外の専修学校(専門課程)
イ:卒業後2年以上
ロ:卒業後4年以上
ハ:卒業後6年以上
5 職業能力開発総合大学校または職業能力開発大学校(総合課程、応用課程または長期課程)
職業訓練大学校(長期指導訓練過程または長期課程)
卒業後2年以上
6 職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校または職業能力開発短期大学校(特定専門課程または専門課程)
職業訓練短期大学校(特別高等訓練課程、専門訓練過程または専門課程)
卒業後4年以上
7 高等学校を卒業した後、職業能力開発校、職業能力開発促進センターまたは障害者職業能力開発校(普通課程)
高等学校を卒業した後、職業訓練施設(職業訓練短期大学校を除く)(高等訓練過程、普通訓練過程または普通課程)
修了後6年以上

出典:令和7年建築設備士試験受験総合案内書|公益財団法人 建築技術教育普及センター

いずれの学歴でも、「建築や機械、電気またはこれらと同等と認められる類似の課程」を卒業する必要があります。学歴によって必要な実務経験に違いがある点に注意しましょう。

大学卒業、専修学校(専門課程)、職業能力開発総合大学校などを卒業した場合は、必要な実務経験が2年以上と短くなります。

短期大学や職業能力開発大学校の特定専門課程などが最終学歴の場合は、必要な実務経験が4年以上です。

高等学校を卒業した方や、高等学校卒業後に職業能力開発校などの普通課程を卒業した方は実務経験が6年以上必要になります。

学校で専門的な分野を長く学んだ方ほど必要な実務経験が短くなると考えましょう。

最終学歴が中学卒業の場合は、学歴要件では満たせないため、資格や実務経験によって条件を満たす必要があります。

② 資格+実務

「資格+実務」の区分での受験資格は下表の通りです。自分の保有資格や実務経験が受験要件を満たしているか、確認していきましょう。

番号 資格 建築設備に関する実務経験年数
8 一級建築士(免許の発行を受けた者)
1級電気工事施工管理技士
1級管工事施工管理技士
空気調和・衛生工学会設備士(空調部門・衛生部門いずれか)
第1種または第2種、第3種電気主任技術者
2年以上(資格取得の前後を問わず通算の実務経験年数)

出典:令和7年建築設備士試験受験総合案内書|公益財団法人 建築技術教育普及センター

上記の資格を取得している場合は、2年以上の実務経験があれば受験できます。実務経験は資格取得の前後を問わないため、通算で2年以上あれば問題ありません。

ただし、一級建築士については、免許の発行済みであることが条件です。

一級建築士の免許登録を行うには、登録免許税などの手数料を支払い、さらに審査を受けなければなりません。免許証明書が交付されるまで申請日から3ヶ月かかるため、早めに登録を済ませましょう。(都道府県によって前後する可能性がある。)

空気調和・衛生工学会設備士は空調部門と衛生部門の2つに分かれた資格であり、いずれの資格取得者も建築設備士の受験は可能です。

電気工事施工管理技士と管工事施工管理技士は、2級では建築設備士の受験資格を得られません。表を参考にして、自身の保有する資格で建築設備士の受験資格を満たせるか確認してください。

③ 実務のみ

「実務のみ」の場合の受験資格の条件は下表の通りです。自分の経験年数が要件に該当するか確認しておきましょう。

番号 最終卒業学校または資格 建築設備に関する実務経験年数
9 建築設備に関する実務の経験のみの者 9年以上

出典:令和7年建築設備士試験受験総合案内書|公益財団法人 建築技術教育普及センター

建築設備に関する実務経験が9年以上あれば、学歴や資格に関係なく試験を受けられます。長く専門的な仕事に取り組んできたならば、建築設備士に求められる知識や技術、経験があるとみなされるためです。

実務経験の年数に含められるのは、建築設備に関連した専門性の高い業務に従事していた期間です。たとえば、建築設備の設計や工事監理の業務などが該当します。

建築設備に関する業務でも、設計図書のトレースや機器類の運転など、施工における単純労働をしていただけでは実務経験とみなされません。

なお、9年以上の実務経験は、現在までの通算で計算可能です。

年数は自己申告ですが、虚偽の年数を申告して資格を取得すると不正行為とみなされ、罰則の対象になります。(罰則内容の例:試験無効や資格取消)過去の仕事の内容を振り返り、正確な情報に基づいて年数を申告しましょう。

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建築設備士の受験資格として認められる学校課程

建築設備士の受験資格が認められている学校課程は、下表の通りです。自分の出身校や修了課程が対象になっているか、一覧でチェックしておきましょう。

系統 学科名
建築系学科 建築科
建築学科
建築工学科
建築設備科
建築設備学科
建築設備工学科
設備工業科
設備システム科
建築設計科
建築設備設計科
建設科[建築(学)コースに限る]
建設学科[建築(学)コースに限る]
建設工学科[建築(学)コースに限る]
機械系学科 機械科
機械学科
機械工学科
生産機械工学科
精密機械工学科
応用機械工学科
動力機械工学科
機械システム工学科
機械(・)電気工学科
電気系学科 電気科
電気学科
電気工学科
電子科
電子学科
電子工学科
電気(・)電子工学科
電気システム工学科
電子システム工学科
電気電子システム工学科
電気(・)機械工学科
電子(・)機械工学科
電気通信工学科
電子通信工学科
通信工学科 「建築第2学科」等の第2学科を含む

出典:令和7年建築設備士試験受験総合案内書|公益財団法人 建築技術教育普及センター

建築・土木・設備・電気・機械系の専門内容を学んだ場合、上記の表と一致する課程であれば建築設備士の受験が可能です。

上記の表に記載のある課程と1文字でも違う課程については、提出した成績証明書や単位取得証明書により判定されます。

建築都市学科や電気電子情報工学科、環境システム工学科などは、専門課程で学ぶ内容が曖昧です。学科名だけで判断が難しい場合は、カリキュラムや履修科目が基準となります。建築や機械、電気などで一定の科目を履修していると確認できた場合は、受験が可能です。

たとえば、建築法規や建築計画、構造力学といった科目の単位を取得していれば、正規の専門課程を卒業したと認められる可能性があります。

成績証明書や単位取得証明書は、卒業した学校の窓口や証明書発行機、オンライン申請などで発行してもらえます。学校によって発行方法が異なるため、ホームページなどで確認しましょう。

建築設備士の受験資格として認められる実務経験について

過去の業務内容が受験資格の基準を満たしているか気になる方は多いのではないでしょうか。

ここでは、建築設備士の受験ができる実務経験について詳しく解説します。

実務経験として認められるもの

建築設備士の受験資格で実務経験として認められるのは、次の5区分のいずれかに該当する業務を専門的に行っていた場合です。

 

建築設備に関する実務経験として認められるもの
  • ✓ 設計事務所などでの施工管理、積算、維持管理の業務
  • ✓ 官公庁での建築設備の行政、営繕業務
  • ✓ 大学、工業高校などでの建築設備の教育
  • ✓ 大学院、研究所などでの建築設備の研究
  • ✓ 設備機器製造会社などでの建築設備システムの設計業務

 

上記の業務は、補助的な内容であっても実務経験として認められます。ただし「維持管理」の場合は、保全や改修を伴う業務が対象です。

一方、昼間の学校に在学中に行った業務は、学問専念期間とみなされるため実務経験に加算できません。

また、実務経歴書だけでは上記業務の従事が確認できない場合、補足資料や説明書の提出が求められます。

実務経験として認められないもの

設計図書のトレースや機器類の運転などの単純作業は実務経験として認められません

 

実務経験として認められない例
  • ✓ 設計図書のトレースや機器の運転など、単純作業のみを行っていた場合
  • ✓ 建築物の設計や施工管理を行っていても、建築設備に直接関わらない業務だった場合
  • ✓ 空調・換気、電気、給排水衛生、昇降機(エレベーター)以外の、建築と関係のない設備業務

 

他の業務と並行して建築設備の仕事を行っていた場合は、その従事割合に応じて年数を換算します。

たとえば業務全体の50%が建築設備であれば、その期間の半分のみが実務経験として認められます。

実務経験年数の対象期間

実務経験年数の計算に含める対象期間は、学科試験の前日までです。たとえば、令和7年度の試験であれば、6月21日までとなっています。

「資格+実務経験」で受験資格を満たしたい場合は、資格の取得前後の実務経験はすべて合算可能です。

資格を取る前と資格取得後の年数を合わせて受験資格の要件を満たせば試験を受けられます。

実務経験の申告方法

受験申込は、建築技術教育普及センター 建築設備士試験案内サイトからWeb上で行えます

申込みフォームには実務経験を入力する項目が用意されており、実務の内容を具体的に記載しなければなりません。

建築物の種類や建設設備、職務の内容などを詳しく入力します。

入力した内容は受験資格の審査基準になるため、正確な情報を記載しましょう。

建築設備士の受験資格に関してよくある質問

建築設備士の受験資格や試験の難易度などについて疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

以下では建築設備士の試験について、受験資格や難易度などのよくある質問と回答をまとめました。

建築設備士の受験資格に必要な資格は?

「資格+実務」の区分で受験資格を満たすのに必要な資格は以下の5つです。

 

資格と実務経験で受ける場合の資格
  • ✓ 一級建築士
  • ✓ 1級電気工事管理技士
  • ✓ 1級管工事施工管理技士
  • ✓ 空気調和・衛生工学会設備士
  • ✓ 第1種又は第2種、第3種電気主任技術者

 

ただし、資格は建築設備士を受験するのに必須ではありません。「学歴と実務」あるいは「実務のみ」の区分でも受験資格を満たせます

資格と実務経験で受ける場合は、いずれの資格の場合でも2年以上の実務経験が必要です。

学歴がなくても一級建築士になれる?

一級建築士の受験資格は、学歴がない場合でも取得可能です。例えば、二級建築士を取得すれば、実務経験なしで受験でき、その後4年以上の実務経験を積めば免許登録できます。

また、大学や短大、専門学校で建築関係の指定科目を修了した者は、実務経験なしで受験でき、卒業後に必要な実務経験(大学は2年以上など)を経て登録できます。

ただし、単純作業は実務経験として認められない場合もあるため、自身の業務内容が条件を満たすか確認してください。

出典:受験資格|公益財団法人 建築技術教育普及センター
出典:建築士試験パンフ|国土交通省 住宅局建築指導課
出典:令和7年 一級建築士試験 受験要領|公益財団法人 建築技術教育普及センター

建築設備士は難しいですか?

建築設備士の合格率は例年20%前後で推移しており、易しい試験ではありません

令和6年度合格率は、第一次試験が33.3%、第二次試験が53.4%、総合で21.5%でした。

令和6年度の合格者の平均年齢は36.6歳であり、20代から30代の合格者が特に多いです。

しかし、若い年代でも合格者が多いことから、建築業界の経験が浅いとしてもしっかりと対策すれば合格を目指せます。試験の内容や出題傾向などを把握し、時間をかけて対策を進めることが大切です。

出典:建築設備士試験データ|公益財団法人 建築技術教育普及センター

建築設備士と2級建築士ではどちらが難しいですか?

建築設備士も2級建築士も合格率は例年20%前後で、合格率に大きな差はありません

試験問題はいずれも第一次試験が学科、第二次試験は設計製図で形式は同じです。

2級建築士は学科試験で建築計画や法規、構造、施工について深い知識を問われます。

一方、建築設備士の学科試験は、建築一般知識や法規も出題されますが、建築設備の出題が大きな割合を占めています。

専門課程で学んだことや仕事の経験などで、建築設備士と2級建築士のどちらが難しいのか感じ方は変わるでしょう。過去問をチェックし、判断してみてください。

出典:建築設備士試験データ|公益財団法人 建築技術教育普及センター
出典:試験結果|公益財団法人 建築技術教育普及センター

まとめ:建築設備士の受験資格を理解して準備しよう

建築設備士の受験資格は、「学歴」「保有資格」「実務経験」の3要素で構成されています。「学歴+実務」「資格+実務」「実務のみ」のいずれかの区分で要件を満たせば、受験が可能です。

これらの要件は細かく規定されているため、本記事を参考に、自分が条件を満たしているか事前に確認しておきましょう。

資格を取得すれば、昇給や昇進などのキャリアアップにもつながるはずです。

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この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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