建物を一から建てる建設業界では、多種多様な専門用語が存在します。今後建設の道に進む方は、建築の基本用語は押さえておくべき理由があるのです。こちらでは、基本用語を理解する重要性と、押さえておきたい基本用語について紹介します。
■なぜ建設業界の基本用語を押さえておくことが重要なのか?
建設業界の基本用語を身に付けると、実際の建設現場で働くだけでなく、就活や転職における業界研究に役立ちます。
建設業界と一口にいっても、ビルや住宅などの「建設分野」と、橋や道路などのインフラ整備をおこなう「土木分野」に分かれます。同じ分野内でも、扱う建物の規模や種類が異なるうえに、空調衛生や電気などの設備工事は専門の企業が担当することが一般的です。どの分野に就きたいか、どのような工事に携わりたいかなど、具体的な仕事内容を調べたうえで職種を決めることが重要です。
建設業界の基本用語は、建物を建てる工程や工法、資材の名称や設備、企業の種類と携わる建築物、建設業界で活かせる資格、環境面の指数など多岐に渡ります。基本用語を理解することで、企業の取り組みを把握できるだけでなく、就職後のミスマッチを防ぐ効果も期待できるでしょう。]
■建設業界で働くうえで押さえておきたい基本用語
建設業界に働く場合、以下の基本用語を理解しておく必要があります。就活中の学生はもちろん、異業種からの転職を考えている方も、企業研究に役立てましょう。
◇建設と建築の違い
一見するとよく似ている建設と建築ですが、両者には明確な違いがあります。
建設とは「ビルや住宅、道路など、あらゆる構造物を建てること」であり、建築は「住む・働くといった人々の生活に関わる建物」のことです。つまり、建設は分野を問わず、建物を建てるという広範囲の意味で、建築は建設の一部という意味合いになります。
◇土木
土木とは、道路や橋、トンネル、ダムなどを建設することです。人々が快適に暮らせるようにインフラ整備をするだけでなく、都市を作るうえでも欠かせない存在です。
◇ゼネコンとサブコン、スーパーゼネコンの違い
ゼネコンとは、元請事業者として土木・建築工事を一式で発注者から直接請負い、工事全体の取り纏めを行う建設会社となります。
一方、サブコンとは元請業者から工事の一部を請け負う下請者となります。
スーパーゼネコンは、売上高が年間1兆円を超える、大手総合建設会社5社のことを指します。5社の内訳は、大林組、鹿島建設、清水建設・大成建設・竹中工務店です。売上高の順に、「スーパーゼネコン→準大手ゼネコン→中堅ゼネコン」と、ランク分けされている点は、建設業界ならではの特徴といえるでしょう。
◇一級建築施工管理技士
一級建築施工管理技士とは、ビルや商業施設などの建築工事において、工事の施工管理者として認められる国家資格です。一級を取得すると、大規模な建築物に携わる特定建設業の営業所に配置する専任の技術者、工事現場に配置する監理技術者、建設工事における主任技術者になることができます。
現場の施工管理は資格がなくでもできる仕事ですが、資格があると高い技術を持つ責任者と認められます。建設業界で働くうえでキャリアアップにつながるので、資格を取得するメリットは大きいといえるでしょう。
◇土木施工管理技士
土木施工管理技士とは、建築施工管理技士を含む施工管理技士資格の1種です。道路や河川整備などの土木工事における、専任の技術者や主任技術者、監理技術者と認められる条件は建築施工管理技士と同様です。土木一式工事や石工事、とび・土工工事、塗装工事、舗装工事など、さまざまな工事が対象になります。
◇工程管理
工程管理とは、工期のスケジュールと施工の計画、品質や原価、工事の進捗状況などを管理する業務です。工事を計画通りに進めることが基本の建設現場ですが、予期せぬ進捗の遅れや問題点が見つかることもあります。必要に応じて計画の改善や再検討をおこない、工期までに建物を完成させることが工程管理の目的です。