建設業界は専門用語を知らないと仕事がスムーズに進まないため、新人の現場監督にとって専門用語を覚えることも重要な仕事です。
建設業界は分野ごとに専門用語があり、自分が担当する現場の専門用語は着実に覚えなければなりません。今回は、新人の現場監督が抑えておくべき基本用語について解説していきます。
■建設業界は専門用語が多い
新人の現場監督で専門用語を知らない場合、仕事をするうえで戸惑う場面が多々あります。たとえば、職人の話が理解できない、コミュニケーションがとりにくい、工程管理がうまくできないなど、仕事に悪影響を及ぼします。
しかし、建設業界の専門用語は各分野に存在するため、膨大な専門用語をすべて覚えるのは難しいでしょう。新人の現場監督は担当する現場で使う専門用語を確実に覚えていき、少しずつ知識を積み重ねることが大切です。
■建設業界で働くうえで抑えておきたい基本用語
戸建て住宅の現場でよく使う、7つの基本用語を紹介します。住宅建設に携わる新人の現場監督は、以下の用語は必ず覚えておきましょう。
◇棟木
棟木(むなぎ)とは、屋根のもっとも高い位置にある梁のことです。棟木は母屋とともに垂木(屋根の斜面を支える部材)を支え、屋根の荷重を梁へと伝える重要な役割があります。
梁や柱を組み立て、棟木を屋根に上げることを「上棟」や「棟上げ」と呼びます。棟木は古くから神聖なものとされ、上棟ができたことを祝う上棟式という式典をおこないます。
◇銘木
銘木(めいぼく)とは、樹齢(200年以上)や形状、断面の模様の美しさなどが優れている、観賞価値が高い木材のことです。和室の柱や1枚板のテーブルなどに銘木が用いられます。銘木に良く挙げられる品種は、チーク、カリン、木曽檜、高野杉などがあります。
◇メタルラス
メタルラスとは、薄い鋼板を引き延ばして作る金網のことで、塗壁や塗天井、モルタル塗りの仕上げ壁に用いられる下地材料です。
強度を補強する役割があり、モルタルの剥離や割れを防ぐ効果があります。金属製のメタルラスが配管などの金属と接触すると火災が起きるため、下地でも絶縁する必要があります。
◇間取り
間取りとは、建物内部の部屋の配置を示すものです。居室数は数字、部屋の用途を示すアルファベット表記の組み合わせで間取りを表します。
アルファベット表記は、リビングはL、ダイニングはD、キッチンはK、クローゼットはCL、ウォークインクローゼットはWCL、サービスルームはSとなります。たとえば、居室が4部屋、リビング、ダイニング、キッチンがある部屋の場合、4LDKと表記します。
◇磨き仕上
磨き仕上とは、室内の壁の表面をコテで磨いてツヤを出す加工のことです。漆喰やセメント、アクリルなど、さまざまな素材の壁も磨くことができます。磨き仕上は左官職人が専門とする仕事の1つです。
◇朝顔
朝顔とは、2階以上の建物を建てる際、周囲を防護するために設置する仮設の建材です。上階で使う資材の落下を防ぐことが目的で、足場の高さが10メートル以上の建物は1段以上、20メートル以上では2段以上の朝顔を設置することが建築基準法で義務付けられています。
下から上の方向に傾斜をつけた状態でネットや板を張るため、朝顔のように見えることからこの名がつきました。
◇オートクレーブ養生
オートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)とはコンクリートの専門用語で、高温・高圧の水蒸気を用いたコンクリートの促進養生です。オートクレーブ養生をしたコンクリートは、通常28日間で得られる強度をわずか1日半程度で満たします。
軽さと強度、耐火性、断熱性をあわせ持つ、ALCパネルという建材の硬化にオートクレーブ養生が用いられています。