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【建設業】人手不足の原因とは?深刻な現状と今すぐできる対策・IT活用事例も紹介|2025年最新

【建設業】人手不足の原因とは?深刻な現状と今すぐできる対策・IT活用事例も紹介|2025年最新

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建設業界は、深刻な人手不足に直面しています。ニュースなどで「2024年問題」や「2025年問題」といった言葉を耳にする機会も増え、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

長年にわたり、日本の建設業界を支えてきた「団塊の世代の大量退職」「建設業を敬遠する若者の増加」「長時間労働の常態化」「他の産業との賃金格差」など、解決すべき課題は山積みです。

この記事では、建設業の人手不足について、さまざまな角度から詳しく解説するとともに、現場で働く一人ひとりが取り組める対策や、今後の働き方に役立つIT活用の事例もご紹介します。

今後も建設業界で働き続けたい方や、これから建設業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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建設業における人手不足の現状

建設業界の就業者数は、1997年の685万人から2023年には483万人まで減少しました。一方で、建設工事の需要は増加傾向にあるため、「仕事はあるのに、働く人がいない」という、アンバランスな状況が生じています。その結果、現場で働く一人ひとりの業務量が増え、長時間労働や休日の減少につながっていると考えられます。

今後10年のうちに60歳以上のベテラン労働者の多くが引退すれば、就業者数はさらに減少する見込みです。今後の建設業界を支える若い世代の確保が不可欠となり、早急な対策が求められています。 建設業界の未来のためにも、若い世代が安心して働ける環境づくりが急務といえるでしょう。

出典:建設業の現状 4.建設労働|日本建設業連合会
出典:建設業の現状 1.建設投資の動向|日本建設業連合会

建設業の人手不足が起こる原因

建設業界で人手不足が起こる原因は、いくつか考えられます。そのひとつが、技術者の多くが日給制で働いているという雇用形態です。

日給制で働く場合、天候や現場の都合に左右されやすく、月によって収入が大きく変動することも珍しくありません。

収入が安定しにくいと将来の計画が立てにくくなり、それが若い人が建設業界を避ける理由のひとつになっています。

出典:建設業の働き方として 目指していくべき方向性 (参考資料)

【2024年問題】時間外労働の上限規制の影響

区分 内容
時間外労働の上限(原則) 月45時間、年360時間
特別条項適用時の上限 年720時間(月平均60時間)以内
特別条項適用時の追加条件 月100時間未満、2~6ヶ月の平均が月80時間以内

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。原則として、残業時間は月45時間、年間360時間までに制限されます。

特別な事情がある場合は「特別条項」の適用により、年間720時間(月平均60時間)までの残業が認められますが、その際も以下の条件を満たさなければなりません。

特別条項の適用条件
  • 1か月の残業時間は100時間未満であること
  • 2~6か月の平均残業時間が月80時間以内であること

この規制は、労働者の健康を守る一方で、長時間労働が常態化している建設現場では、一人当たりの作業時間が減少がすることで、さらなる人手不足を招く恐れがあります。

その結果、工期の延長や受注件数の減少につながる可能性もあるでしょう。 また、工期の長期化や受注の減少は、企業の収益悪化を引き起こします。

また、残業代の減少は、労働者の収入減にもつながり、働く意欲の低下、ひいては建設業界からの離職を招く可能性も否定できません。

出典:建設業の働き方として 目指していくべき方向性 (参考資料)

【2025年問題】団塊世代の大量退職

年齢層 建設業就業者の割合
29歳以下 約11.7%
55歳以上 約35.9%
60歳以上(技能者) 約25.7%

出典:建設業を巡る現状と課題|国土交通省

2025年問題とは、1947年から1949年生まれの団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、各業界で大量退職が発生する問題の総称です。建設業界も例外ではなく、深刻な影響が懸念されています。

国土交通省の資料によると、建設業で働く人のうち55歳以上は約35.9%を占める一方で、29歳以下はわずか約11.7%にとどまっています。

さらに、技能者に限ると、60歳以上が約25.7%を占めており、高齢化が著しい状況です。 このまま多くのベテラン技能者が退職すると、建設業界では約90万人の労働力不足が生じると予測されています。人手不足に加え、長年培われた技術や技能の継承も大きな課題となるでしょう。

円安による外国人労働者の不足

近年、急速に進行する円安は、建設業界の人手不足に大きな影響を与えています。円安とは、外国の通貨(たとえばアメリカドルなど)に比べて、日本円の価値が下がる状態です。このような状況では、日本で働く外国人労働者が母国に送金する際、円の価値が目減りするため、日本で働くメリットが薄れてしまいます。

建設業界はこれまで、多くの外国人労働者に支えられてきました。しかし、円安の影響で外国人労働者が日本で働くことを避けるようになると、今以上に人手不足が深刻化する可能性があります。

そのため、外国人だけでなく、日本人も含め、さまざまな国の人々が「ここで働きたい」と思えるような魅力的な職場づくりを進めることが大切です。国籍に関わらず、誰もが働きやすい環境を整えることが、人手不足解消のカギとなるでしょう。

建設業の人手不足問題!若手技術者が増えない理由

建設現場に若者が増えないのは入職者が少なく、入社しても定着しないことが主な原因です。

ここからは、若者が建設業界に定着しない理由について解説します。

仕事がきついイメージの定着

建設業界は「きつい・汚い・危険」といういわゆる3Kのイメージがいまだに根強く残っています。

さらに近年では、「厳しい・帰れない・給料が安い」といった新たな意味も加わり、悪い印象だけが先行しているのが現状です。そのため、若者が建設業界を避ける要因のひとつとなっています。

また、実際に建設業界に入職したものの、「休みが少ない」「長時間労働で体力的につらい」といった理由から、早期退職するケースも少なくありません。

近年の若年層は、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向が強く、休日が少なく労働時間の長い業界は敬遠されがちです。

 

労働に対して給料が低い

建設業界全体の賃金は上昇傾向にあるものの、技能者の賃金は他業種と比較しても低い水準にあります。

そのため、「仕事の大変さに見合っていない」と感じる人も少なくありません。

さらに、建設現場で施工を担う技術者の多くは日給月給制で働いており、収入が安定しにくい点も、若年層が建設業界を敬遠する一因となっています。

賃金水準の停滞と他産業との格差

建設業界の賃金は、少しずつ上昇しているものの、他の産業と比べて格差があると感じる方も少なくありません。 特に若年層は、高賃金と働きやすい環境を重視する傾向があり、建設業界が他産業と同等の待遇を提供できなければ、優秀な若手人材を呼び込むのは難しいでしょう。

そのため、建設業界全体として賃金水準を引き上げ、他産業との格差をなくしていく努力が求められます。加えて、給料面だけではなく、福利厚生や労働時間といった総合的な労働条件の改善も重要な課題です。

建設現場の人手不足を解消!若年層の入職者を増やす取り組み

建設現場の人手不足を解決するためには、若い世代を呼び込み、長く働いてもらうための取り組みが大切です。従来の建設業界の習慣を見直すことで、若年層の入職促進や定着率の向上が期待できます。 現在、こうした課題を解決するために、以下の4つの取り組みが広がりつつあります。

建設業界の“当たり前”を見直すことで、若者の入職者数を増やし、定着率の向上につなげようとする動きが注目を集めています。 

4つの取り組み
  • 働き方改革の推進と労働環境の改善
  • 処遇改善の推進による待遇向上
  • 建設業へのイメージアップ施策の推進
  • キャリアアップシステムの導入による評価制度の整備

働き方改革の推進と労働環境の改善

若年層の入職者を増やす取り組みの1つ目は、働き方改革です。若い世代は、仕事とプライベートのバランスを大切にする傾向があり、休日の少なさを懸念する声も少なくありません。 そのため、建設業界では週休2日制の導入によって、より多くの人にとって魅力ある職場環境を目指す取り組みが進められています

ただし、建設現場で週休2日制を実現するためには、さまざまな課題をクリアしなければなりません。たとえば、工期の適切な設定や、日給で働く人の収入への配慮など、現場ごとの柔軟な対応が求められます。 建設現場で週休2日制が普及しない要因は、休日が増えることで日給制で働く人の収入が減少するためです。

この解決策として、日給制から月給制への移行が検討されており、休日の増加と安定した収入の両立を目指しています。労働者にとって、より働きやすい環境を整えることが、建設業界の人手不足を解消するための第一歩となるでしょう。

処遇改善の推進による待遇向上

若年層の入職者を増やす取り組みの2つ目は、処遇改善です。建設業界の人材を増やし、定着率の向上を図るには、賃金の引き上げと福利厚生を充実させることが不可欠です。 賃金が上がることで生活が安定し、仕事へのモチベーションも高まります。

さらに福利厚生が整っている企業は、働く人にとって信頼感があり、長く働きたいと思える職場環境につながります。 こうしたさまざまな取り組みを積極的に進めることで、建設業界の魅力がより一層高まり、若年層から「選ばれる業界」へと変わっていくでしょう。

働く環境を整えることは、建設業界の未来にとっても、非常に重要な投資といえます。

建設業へのイメージアップ施策の推進

建設業へのネガティブな印象を払拭し、若年層に魅力を伝えることは、入職者の増加に直結します。「きつい・汚い・危険」といった3Kのイメージを見直すため、業界ではイメージアップ施策が積極的に推進されています。

建設業の魅力をアピールする具体的な取り組みとしては、Webメディアなどでの若手技術者の紹介や現場見学、大型重機の試乗会に加え、SNSや動画配信を活用した広報活動などが挙げられます。こうした情報発信によって、建設業に対する関心を持つ若者が少しずつ増えることが期待できるでしょう。

また、入社後のギャップによる早期離職を防ぐため、インターンシップや現場体験会を通じて、建設現場の仕事を事前に体験できる取り組みも進んでいます。 一部の工業高校では、建設機械やドローンの操縦、測量作業などを取り入れた実践的なインターンシップが行われており、若者が現場のリアルを知る貴重な機会となっています。

出典:3Dスキャナーやドローンなど最新鋭のデジタル機器を活用した測量で「建設業の今」を体験【建設業の未来インタビュー⑯ 後編】

キャリアアップシステムの導入による評価制度の整備

若年層の入職促進に向けた取り組みの1つとして、「建築キャリアアップシステム(CCUS)」の導入が進められています

建築キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業で働く技能者の「就業履歴」や「資格」「経験」などを一元管理し、スキルの見える化と適正な評価を行う制度のことです。

これにより、技能に応じた賃金アップやキャリアパスの形成が可能となり、若年層にとっても将来の展望が描きやすくなるでしょう。

評価の透明性が高まることで「努力が報われる環境」が整い、若者の入職促進や定着率向上に貢献すると期待されています。 なお、建築キャリアアップシステム(CCUS)は、2019年4月に本格運用が開始され、2025年現在も国土交通省と建設業界団体が連携して普及と活用が進められています。

出典:一般財団法人建設業振興基金 CCUSについて

ITの活用で建設業の人手不足を解消する4つの手法

建設業界では、深刻な人手不足を解消する対策として、IT(情報技術)の活用が積極的に進められています。ITの導入により、作業効率の向上や危険な作業の機械化、正確な管理が可能になります。

ここでは、ITの活用で建設業の人手不足を解消する4つの手法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

BIM/CIM導入による設計・施工の効率化

建設業の人手不足を解消する手法の1つとして、BIM/CIMの導入による設計・施工の効率化が挙げられます。BIM/CIMとは、Building Information Modeling(BIM)およびConstruction Information Modeling(CIM)の略で、建物の3Dモデル(立体的な模型)を使って、建物の設計から工事、そして完成後の建物の維持管理まで、全ての情報を一元的に管理する新しい方法です。

BIM/CIMを使うと、設計図をパソコンの画面上で立体的に見ることができ、建物の形状や設備情報などを直感的に把握できるようになります。

これにより、現場に関わる複数の担当者が情報を共有しやすくなり、連携の円滑化も実現可能です。 また、設計の変更時には、3Dモデルを修正するだけで、関連する図面が自動的に更新されます。そのため、手作業でたくさんの図面を一枚一枚修正する手間が省け、設計ミスも大幅に減らせるでしょう。

出典:国土交通省 BIM/CIMとは
出典:BIMモデリング活⽤による設計・施⼯業務効率化の検証

ドローン活用による測量・検査の自動化

建設業の人手不足を解消する手段の1つとして、ドローンを活用した測量や検査の自動化が挙げられます。 近年では、建設現場においてドローンの活用が広がっており、測量や進捗確認、構造物の点検などに利用されるケースが増えています。

ドローンは高性能なカメラやセンサーを搭載しており、上空から現場全体の写真や動画を撮影したり、レーザーを使って地形の詳細なデータを収集したりすることが可能です。 これにより、人が立ち入ることが難しい場所や、足場を組む必要がある高層ビルや橋などの危険な場所でも、安全かつ効率的に測量や検査を行うことが可能になりました。

特に広大な土地の測量では、従来の手作業に比べて、短時間でより正確なデータを収集できるという大きなメリットがあります。

建設ロボット導入による危険作業の代替

建設業の人手不足を解消する方法の1つに、建設ロボットの導入によって危険作業を代替する取り組みがあります。建設現場には危険を伴う作業や、作業員の身体に大きな負担がかかる業務が存在します。これらの作業を建設ロボットに任せることで、作業員の安全を守り、肉体的な負担を大幅に減らせるでしょう。

たとえば、遠隔で操作できるロボットを活用すれば、高層ビルの外壁工事やトンネル掘削作業などを代替することが可能です。また、重たいコンクリートブロックの運搬や、鉄骨の組み立てといった重作業でも、ロボットを使うことで少人数でも効率的かつ安全に作業を進められるでしょう。

IoT/AI活用による工程・品質管理の最適化

建設現場では、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった最先端の技術を活用し、工程管理と建物の品質向上を図る取り組みが進んでいます。 IoTとは、モノにセンサーやカメラを取り付け、インターネットを通じて情報をやり取りする仕組みのことです。

たとえば、建設現場に設置したセンサーで気温や湿度、風速、騒音レベルなどを常に計測し、そのデータをリアルタイムでパソコンやスマートフォンで確認することができます。

これにより、現場に行かなくても、離れた場所にいる管理者や担当者が、現場の状況を正確に把握できるようになります。

ICTの活用による建設現場の生産性向上

ICT(Information and Communication Technology)の活用は、建設業における人手不足の解消と生産性向上の両面で有効な手段として注目されています。 たとえば、測量や設計に3次元データを活用することで作業のスピードが上がり、ミスの削減にもつながります。

施工段階ではICT建機を導入することで、少人数でも精度の高い作業を実現することが可能です。 さらに、ICタグなどを活用すれば、資材や工程の管理が効率化され、現場の混乱や手戻りも防ぐことができます。

ICTの導入によって業務の合理化が進めば、「重労働・長時間労働」といった旧来のイメージを払拭でき、若年層や異業種からの人材確保にもつながるでしょう。

出典:建設ICTとは?

建設業の人手不足を解消するには業界全体の協力と意識改革が必要

建設業の人手不足は、一朝一夕に解決できる問題ではありません。労働環境の改善や賃金水準の引き上げ、建設業のイメージ向上は早急に取り組むべき課題です。加えて、BIM/CIMやドローン、建設ロボット、IoT・AIなど最新技術の導入により生産性を向上させることも重要です。

建設業界への転職は、将来性のある業界で働きたいと考えている方にとって、今はまさにチャンスのタイミングです。今後、人手不足解消に向けて、業界全体の意識改革が進み、労働環境が変化していく可能性があります。

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この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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