1級土木施工管理技士とは？試験内容や受験資格、合格率・難易度、年収まで徹底解説【2025年最新】

「1級土木施工管理技士の資格は難しい？」「どうすれば合格できる？」「資格取得後の平均年収は？」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

1級土木施工管理技士は、土木工事現場の責任者として活躍できる国家資格であり、主任技術者・監理技術者としての就任に必要です。

資格取得により、年収アップやキャリアの幅の拡大が期待できる一方、試験範囲が広く、十分な対策が求められます。

本記事では、1級土木施工管理技士の試験制度や受験資格、合格率・難易度、勉強法、将来性まで最新情報をもとに徹底解説します。

過去問を活用した勉強方法、実務経験の例もまとめました。最短での合格とキャリアアップのコツをお届けするため、これから1級土木施工管理技士を目指す方に必見です。
 

1級土木施工管理技士とは？【第一次検定・第二次検定】

1級土木施工管理技士とは、建設業法で定められた主任技術者・監理技術者の就任要件となる国家資格です。

試験は「第一次検定（学科試験）」と「第二次検定（実地試験）」の2段階構成で、それぞれ目的・内容・受検資格が異なります。以下の表で両者の違いを整理します。

出典：１級土木施工管理技術検定 | 一般財団法人 全国建設研修センター
出典：建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧｜国土交通省

一級土木施工管理技士はすごい？資格の難易度や合格率、取得メリットについて解説【2025年最新版】

1級土木施工管理技士の概要

ここでは、1級土木施工管理技士の資格概要について解説します。資格の位置づけや取得によるメリット、2級との違いを整理し、どのような業務に携われるのかを明確にします。

これから受検を考えている方が、キャリア形成の方向性をイメージしやすくなるでしょう。

資格の位置づけ（国家資格／施工管理技術検定の一種）

1級土木施工管理技士は、建設業法に基づく国家資格であり、施工管理技術検定の一種です。
試験は、国土交通大臣が指定する一般財団法人 全国建設研修センター（JCTC）が実施しています。

この資格は、土木工事において施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理などを統括できる専門技術者として認められるもので、主任技術者・監理技術者として現場を指揮する重要な役割を担います。合格区分は以下の2段階です。

第二次検定の受検資格（学歴別・実務経験年数）

第二次検定を受検するには、第一次検定（学科試験）の合格に加えて、所定の実務経験年数を満たしていることが必要です。

実務経験として認められるのは、施工管理業務（工程管理・品質管理・安全管理・原価管理のいずれか）に従事した期間です。

受検時には、これらの実務経験を証明するための「実務経験証明書（F票）」を提出する必要があります。

証明書には、勤務先の証明と押印が求められるため、申請前に勤務先での確認・準備を進めておきましょう。

 出典：１. 令和６年度以降の技術検定制度概要（改正概要）｜国土交通省

1級土木施工管理技士補とは？

1級土木施工管理技士の第一次検定（学科試験）に合格すると、国家資格である「1級土木施工管理技士補」として登録できます。

技士補は、施工管理技士の補助者として現場業務に携わりながら、実務経験を積むことができる資格です。ここでは、その概要とメリットを整理します。

1級土木施工管理技士の受検資格・実務経験の要件

ここでは、令和7年度（2025年度）から適用される新制度に対応した、1級土木施工管理技士の受検資格について解説します。

新受検資格制度では、第一次検定と第二次検定で求められる条件が明確に分かれており、学歴や実務経験年数によって受検可能な区分が異なります。
最新の制度改正内容を確認し、事前に自分の受検区分を把握しておきましょう。

第一次検定の受検資格（新制度）

第一次検定は、実務経験の有無を問わず、年度内に19歳以上であれば誰でも受検可能です。

新制度では、第一次検定に合格すると「1級土木施工管理技士補」の資格が付与され、第二次検定の受検要件の一部として活用できます。

この試験に合格することで、技士補として登録し、実務経験を積みながら将来的な第二次検定へのステップが開かれます。

第二次検定の受検資格（新受検資格）

第二次検定を受検するには、第一次検定の合格に加えて、所定の実務経験年数が必要です。新制度では、以下の2区分に整理されています。

※第二次検定のみを受検する場合は、第一次検定合格と実務経験の両方が必須です。
※旧制度の「一次・実地試験合格者」は、新制度での再申請時に経過措置が適用されます。

実務経験の定義と対象業務

実務経験として認められるのは、土木施工に関する施工管理業務（施工計画、工程、品質、原価、安全のいずれか）に従事した期間です。

具体的には、以下のような業務が対象となります。

一方で、現場作業や補助業務のみは実務経験としては認められません。受検時には、実務経験証明書（F票）を作成し、勤務先の証明・押印を受ける必要があります。

受検区分の確認と提出書類

受検申込は、インターネットでの申込情報登録と、必要書類の郵送の2ステップが必要です。

第二次検定を受ける際は、以下の書類を提出します。

期限を過ぎると受付が無効となるため、申込締切日（令和7年4月8日・消印有効）までに郵送を完了させましょう。

申込方法（インターネット申請／注意点）

1級土木施工管理技士の申込は、インターネットによる事前登録が必須です。2025年度（令和7年度）は、以下のスケジュールで受付が行われます。

※第一次検定・第二次検定を同時に申し込む場合、または第二次検定（新受検資格）を単独で申し込む場合は、①インターネット登録と②必要書類の郵送の両方の手続きを完了させる必要があります。

どちらか一方が欠けると申込が無効となるため、締切日には十分注意しましょう。

1級土木施工管理技士の合格率・難易度

1級土木施工管理技術検定は、毎年約5万人が受検する国家資格です。

令和7年度（2025年度）の第一次検定では、合格率43.1％と、例年並みの水準を維持しました。

2025年度からの新制度により19歳以上であれば受検可能となり、若年層の受検者・合格者が増加しています。

合格率の推移（令和5〜7年度比較）

令和7年度の第一次検定は2025年7月6日に実施され、受検者数：47,715人／合格者数：20,547人／合格率：43.1％でした。

前年（令和6年度）から約1.3ポイント低下しています。

受検者増加や出題範囲の拡大が影響していると考えられ、合格率は緩やかに低下傾向にあります。

特に令和6年度からの受検資格緩和（19歳以上受検可）により、受検者層が多様化しました。

受検者数の推移

前年よりやや減少したものの、新制度の影響で若年層の受検が増加傾向にあります。

制度改正初年度（令和6年度）の大幅増加に続き、令和7年度も高水準を維持しています。

年齢別の合格者割合

25〜29歳が最多（27.3％）となっています。一方、19歳・20歳の合格者も確認されており、若年層（19〜24歳）が全体の約17％を占めます。

資格取得の早期化が進行しており、キャリア初期の段階から取得するケースが増加しています。

男女別の合格者割合

女性の合格者は前年より153人減少したものの、構成比は12.8％ → 13.4％と微増となりました。

近年、女性技術者の進出が進み、土木分野でも着実な増加傾向が見られます。

出典：令和７年度 １級土木施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表について 国 土 交 通 大 臣 指 定 試 験 機 関 一般財団法人全国建設研修センター

勤務先別の合格者割合

建設業許可を有する業者（大臣・知事許可）が全体の65％以上を占めています。公共・民間を問わず、幅広い業種からの受検が確認されました。

 出典：令和７年度 １級土木施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表について 国 土 交 通 大 臣 指 定 試 験 機 関 一般財団法人全国建設研修センター

学歴別の合格者割合

大学卒が約半数を占めており、在学中に合格した受検者も多数見られます。

 出典：令和７年度 １級土木施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表について 国 土 交 通 大 臣 指 定 試 験 機 関 一般財団法人全国建設研修センター

大学在学中の合格者は388名、短大・高専在学中の合格者は87名でした。早期の資格取得により、就職活動やキャリア形成において有利に働く傾向が強まっています。 

難易度が高い理由

1級土木施工管理技士が「難しい」と言われる主な理由は、次の3点です。

これらの理由から、学習期間は6か月〜1年程度が目安とされ、独学よりも通信講座や専門教材の活用が推奨されています。

特に記述対策は添削指導を受けると効率的です。

出典：令和６年度以降の技術検定制度概要（改正概要）｜国土交通省

1級土木施工管理技士の合格に必要な勉強時間とスケジュール目安

ここでは、1級土木施工管理技士の合格を目指すために必要な勉強時間の目安と、効率的な学習スケジュールを紹介します。

試験は学科（第一次検定）と実地（第二次検定）で求められる知識が異なるため、それぞれに合わせた計画的な学習が重要です。社会人受験者でも無理なく継続できるスケジュールを立てましょう。

合格に必要な勉強時間の目安（学科・実地別）

1級土木施工管理技士試験の難易度は中〜高レベルとされ、第一次検定・第二次検定それぞれに十分な準備が必要です。学習時間の目安は以下の通りです。

第一次検定（学科）では、約300〜400時間を目安に、施工管理法・法規・共通工学・施工技術・専門知識といった基礎から応用までを幅広く学習します。

続く第二次検定（実地）では、約150〜250時間をかけて、記述問題の演習や実務経験記述の作成・添削を中心に、応用力を強化していきます。

これらを合わせると、総学習時間の目安は約450〜650時間（約6〜12か月）となります。

ただし、建設業での実務経験が豊富な方は短期間で効率的に学習できる一方、未経験者や知識に不安がある場合は、基礎固めを含めて長期的な学習計画を立てることが推奨されます。

出典：一般財団法人全国建設研修センター「施工管理技術検定試験手引き（令和7年度）」

働きながら合格を目指す社会人におすすめの6か月モデルプラン

働きながら合格を目指す社会人におすすめの6か月モデルプランは以下の通りです。

働きながら合格を目指すのであれば、週15〜20時間の安定した学習ペースをキープすることが大切です。

学科対策は週10〜15時間（1日2時間×5〜6日）を目安に進め、実地対策として週5時間程度の記述練習を追加しましょう。

通勤や休憩中などのスキマ時間には、アプリや音声講座を活用することで、知識の定着を効率化できます。

1級土木施工管理技士の合格発表日と確認方法

1級土木施工管理技士の合格発表日は、試験区分ごとに異なります。

第一次検定（学科）は例年7月実施・8月発表、第二次検定（実地）は10月実施・翌年1月発表が基本です。

以下の表では、令和7年度（2025年度）～令和8年度（2026年度）の試験日・合格発表日・確認方法をまとめています。受験後のスケジュール管理に役立てましょう。

※公式ホームページで合格者の受検番号が掲載されます。
※文書通知は合格者・不合格者のみ対象。欠席者には通知なし。

出典：一般財団法人全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 試験の手引き」

1級土木施工管理技士の年収・キャリア・求人事情

1級土木施工管理技士は、土木工事の現場責任者として活躍できる国家資格です。資格の有無によって年収やポジションが大きく変わるため、将来のキャリア形成を考える上で重要な指標となります。

ここでは、最新データ（2025年10月時点）をもとに、平均年収・手当相場、キャリアアップのステップ、求人市場の動向をわかりやすく整理しました。

平均年収・手当相場（年代別・企業別）

厚生労働省「令和６年賃金構造基本統計調査」および「職種情報提供サイト」によると、1級土木施工管理技士の平均年収は約550〜650万円です。

企業規模や勤務地、経験年数によって差が生じます。

資格手当は月1〜3万円が一般的で、資格の有無により年収に50〜100万円以上の差が出るケースも少なくありません。

まとめ

「資格を活かして年収アップを実現したい」「自分らしい働き方をしたい」という方は、ぜひベスキャリ建設をご活用ください。

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