「ゼネコンに転職したいけど“やばい”ってよく聞く…」「激務できつい?」という噂を耳にして不安に感じていませんか。
YouTubeやX(旧Twitter)などの「SNS」や「社員・元社員の口コミサイト」では、長時間労働や人手不足、上下関係の厳しさなどが語られ、“ゼネコン=やばい”というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ゼネコンがやばいと言われる7つの理由とメリット、向いている人の特徴、「やばい」と感じたときの選択肢まで詳しく解説します。
ゼネコンへの就職や転職を検討する上での判断材料にしてみてください。
ゼネコンがやばいと言われる7つの理由
ここでは、ゼネコンがやばいと言われる理由について以下の7つにわけて解説します。
① 長時間労働・休日出勤が多い
ゼネコンが「やばい」と言われる最大の理由が長時間労働です。
施工管理者や現場監督は工期を守る責任があるため、早朝から深夜まで現場に立ち会うケースも少なくありません。
特に工期直前は休日出勤が続き、残業時間が増加する可能性もあります。
労基署の指導や働き方改革の流れで改善傾向はあるものの、完全にホワイト化したとは言い難い職場もあるようです。
仕事に追われる生活スタイルは、体力的・精神的に負担が大きく、若手社員から「ゼネコンはやばい」と言われる背景になっています。
② 人手不足で一人あたりの負担が重い
建設業界は慢性的な人手不足が深刻化しています。有効求人倍率は全産業平均を大きく上回り、現場では常に人手が足りない状態です。
そのため一人あたりの業務負担が重く、若手でもすぐに大きな現場を任されるケースが多いです。
責任感を持って働ける人にとっては成長のチャンスですが、サポート体制が不十分だと過労や離職につながりやすくなります。
「ゼネコンはやばい」と言われる背景には、この人材不足による問題が大きく関係しています。
出典:一般職業紹介状況(令和7年6月分)について|厚生労働省
出典:建設業を取り巻く現状について|国土交通省
③ 安全リスクや責任の重さで精神的にきつい
ゼネコンの現場は常に危険と隣り合わせです。高所作業や大型機械の使用が日常的に行われるため、事故が起きれば人命や社会的信用に関わります。
施工管理は現場の安全を監督する立場として強い責任を負い、少しのミスでも大きなトラブルにつながる可能性があります。
そのため、精神的なプレッシャーが大きく、仕事終わりにも気を抜けないという声も少なくありません。
この「責任の重さ」が、ゼネコンがやばいと感じる大きな要因になっています。
④ 上下関係や体育会系文化が根強い
ゼネコン業界は歴史が長く、昔ながらの体育会系文化が残っている職場も多いです。
現場では年功序列や上下関係を重んじる雰囲気があり、若手社員が意見を言いにくい環境も少なくありません。
「飲み会への参加が暗黙の了解」「上司の指示は絶対」など、古い慣習がストレスにつながる場合があります。
近年は世代交代や働き方改革で徐々に改善しているものの、依然としてこうした文化に馴染めず「ゼネコンはやばい」と感じる人も少なくありません。
⑤ 工期短縮プレッシャーで残業が常態化
建設プロジェクトは工期厳守が鉄則です。発注者の都合や予算の関係でスケジュールが短縮されることも多く、現場では「絶対に遅れられない」という強いプレッシャーがあります。
その結果、残業や休日出勤が常態化しやすく、心身への負担が大きくなります。
特に大型案件では複数の協力会社を取りまとめる必要があり、調整業務に追われる施工管理者の負担は計り知れません。
こうした工期に関するプレッシャーが「ゼネコンはやばい」と言われる理由の一つです。
⑥ 現場とデスクワークの両立が大変
ゼネコンの施工管理は、現場での監督業務に加えて膨大なデスクワークも抱えています。
安全書類の作成、工程管理表の更新、発注先との調整など、オフィス業務は深夜まで及ぶこともあります。
日中は現場に出て夜は事務作業に追われる生活リズムになりやすく、体力的な消耗が激しいのが特徴です。
現場とデスクワークの両立に悩む人は多く、仕事と私生活のバランスが取りにくい点も「ゼネコンはやばい」と言われる大きな理由です。
⑦ 景気や公共事業に左右される不安定さ
ゼネコンの業績は、景気動向や公共事業の予算に大きく影響を受けます。
不況期には民間投資や大型プロジェクトが縮小し、公共工事の発注も減るため、受注競争が激化して利益率が低下する傾向があります。
一方で、景気が好調な時期には都市再開発やインフラ更新の需要が高まり案件は増えますが、今度は深刻な人手不足や資材価格の高騰により現場の負担が増大します。
このように「不況期は仕事が減る」「好況期は人が足りない」といった構造的な課題があり、働く側からすると先行きの安定性に不安を感じやすいのが実情です。
ただし、国土交通省の推計ではインフラ老朽化対策や災害復旧需要は長期的に続くとされており、建設投資そのものがゼロになるわけではありません。
むしろ外部環境の変動にどう対応できるかが、ゼネコンで働く上での大きなポイントといえるでしょう。
本当にやばい?実際にゼネコンで働く人の声【社員・元社員の口コミ】
ここでは、ゼネコンで実際に働く人や元社員の口コミをいくつかピックアップしてご紹介します。
やりがいやスキル習得など前向きな声もあれば、長時間労働や休めないといった厳しい声もあります。
大手と中堅ゼネコンの違いも含め、リアルな現場の声を見ていきましょう。
出典:Open Work「社員による会社評価」
出典:転職会議「企業の口コミ・評判・求人が豊富な転職サイト」
【ポジティブな意見】やりがい・スキル習得
ゼネコンで働く魅力として「大規模プロジェクトに関われるやりがい」を挙げる声は多いです。
社会インフラやランドマークとなる建築物に携われる達成感は、他の業界では得られない貴重な経験です。
また、施工管理や工程管理、安全管理など幅広いスキルが身につく点も評価されています。
若手のうちから責任ある仕事を任されるため、成長スピードが早いと感じる人も少なくありません。
厳しさはあるものの「自分の成長を実感できる環境」として前向きに捉える社員の声も見られます。
【ネガティブな意見】休めない・辞めたい
一方で「休みが取れない」「残業が常態化している」といった不満の声も根強くあります。
特に繁忙期や工期直前は長時間労働になりやすく、ワークライフバランスを保ちにくいのが現実です。
また、現場の上下関係や体育会系文化に馴染めず、人間関係のストレスで辞めたいと感じる人も少なくありません。
「体力が持たない」「家庭との両立が難しい」といった理由で離職を選ぶケースも見られ、ゼネコンが“やばい”と敬遠される背景にはこうしたネガティブな実体験があります。
大手ゼネコンと中堅ゼネコンの違い
口コミを見ると、大手ゼネコンと中堅ゼネコンでは働き方に違いがあると指摘されています。
大手は給与水準や福利厚生が手厚く、教育体制も整っている一方、プロジェクト規模が大きいため責任やプレッシャーも大きいです。
中堅ゼネコンは規模が比較的小さく、現場との距離が近いため柔軟に働けるケースもありますが、待遇面では大手に劣ることもあります。
「安定性を取るか、働きやすさを取るか」という選択が必要で、自分の価値観やキャリアプランに合った企業選びが重要だといえるでしょう。
ゼネコンは本当に「やばい」のか?客観的データで検証
ここでは、ゼネコンの労働環境の実態をデータで検証します。
平均年収や労働時間、離職率、有効求人倍率、さらに働き方改革の取り組みを紹介し、「やばい」と言われる実情が本当なのかを客観的に確認していきましょう。
【平均年収・労働時間】統計データ
厚生労働省が提供する職業情報提供サイト『job tag』によると、建築施工管理技術者の平均年収は全産業平均を上回り、600万円台に達しています。
一方で労働時間を見ると、月あたり163時間となっており、全国平均よりやや長めです。
「給与は高いが時間的負担がやや大きい」という傾向がでていることがわかります。
収入面だけを見れば魅力的ですが、ワークライフバランスを重視する人にとっては「やばい」と感じやすい現状です。
離職率・有効求人倍率の現状
建設業は有効求人倍率が非常に高い水準にあります。
厚生労働省『job tag』(令和6年度データ)によると、建築施工管理技術者の有効求人倍率は全国で8.56倍と公表されています。
これは全産業平均を大きく上回る数値で、人材不足が深刻であることを示しています。
求人賃金(平均月額)も33.3万円と明示されており、待遇面は比較的高水準ですが、人材確保が追いつかず、一人あたりの負担増につながっているのが現状です。
出典:一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について|厚生労働省
出典:労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)12月分、10~12月期平均及び2024年(令和6年)平均|総務省
出典:建設業を取り巻く現状について|国土交通省
建設業界の働き方改革の取り組み【残業削減・DX導入など】
国土交通省は「建設業働き方改革加速化プログラム」を推進し、時間外労働の上限規制や週休2日制導入を進めています。
また、ICT施工やBIM/CIMの導入により、工程管理の効率化や現場負担軽減が進みつつあります。
さらに大手ゼネコンではフレックス勤務やDXツールを活用した遠隔監理も取り入れられ、従来より働きやすい環境を整える動きが広がっています。
完全に解決されたとは言えませんが、「やばい」と言われがちな労働環境は改善の方向に進んでいます。
ゼネコンで働くメリット5つ
ここでは、ゼネコンで働くことで得られる代表的なメリットを紹介します。
労働環境の厳しさが注目されがちですが、収入やキャリア形成の面では魅力的な要素も多くあります。
大規模プロジェクトに関わるやりがいから待遇の良さまで、5つの利点を整理します。
① 大規模プロジェクトに携われるやりがい
ゼネコンの大きな魅力は、社会インフラやランドマークとなる建築物など、規模の大きなプロジェクトに携われることです。
道路や橋、商業施設、スタジアムなど、完成後に多くの人が利用する建築物を手掛ける経験は、達成感や誇りにつながります。
自分の仕事が社会に残る形になるため「やりがいを実感できる」という声が多く、これは他の業界ではなかなか得られないゼネコンならではのメリットです。
② 平均年収が高く、各種手当も充実
建設業の平均年収は全産業より高く、特にゼネコンの施工管理職は600万円を超える水準が一般的です。
さらに資格手当や住宅手当、現場手当など、基本給以外の支給が手厚いのも特徴です。
大手ゼネコンでは賞与も高額で、年収1000万円に届くケースもあります。
労働時間の長さは課題ですが、経済的な安定を重視する人にとってゼネコンは非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
③ 国家資格取得で市場価値が上がる
ゼネコンで働くと、1級・2級施工管理技士をはじめとした国家資格の取得を推奨されるケースが多くあります。
資格を取得すれば現場の責任者や監理技術者として活躍でき、昇進や昇給のチャンスも広がります。
資格は転職市場でも高く評価されるため、ゼネコン経験者は常に需要がある状態です。
専門スキルを磨きながら資格を取得できる点は、キャリア形成において大きなメリットといえるでしょう。
④ 大手は福利厚生が手厚い
大手ゼネコンは福利厚生が充実している点でも高評価です。
住宅補助や社宅制度、家族手当、退職金制度、さらに海外勤務や研修制度など、社員を長期的に支える仕組みが整っています。
最近では育児休暇や時短勤務の導入など、ライフステージに合わせた制度も拡充されています。
仕事の負担が大きい分、待遇面で社員を支える体制が厚いのは、大手ゼネコンで働く大きなメリットの一つです。
⑤ キャリアの幅が広がり、転職にも強い
ゼネコンで培った経験は、建設コンサルタント、建材メーカー、不動産デベロッパーなど幅広い業界で評価されます。
特に施工管理や工程管理のスキルは応用範囲が広く、異業種への転職にも有利に働きます。
ゼネコン出身者は「現場力」「マネジメント力」を兼ね備えていると見なされるため、キャリアの選択肢が広がるのも強みです。
厳しい環境で得た経験は、将来のキャリアにおいて大きな資産になります。
ゼネコンが向いている人の特徴
ここでは、ゼネコンで働くのに向いている人の特徴を紹介します。
激務や責任の重さがある一方で、やりがいや成長の機会も豊富です。
自分の性格や価値観に合うかを確認することで、就職や転職の判断材料になります。
責任感が強くプロジェクト完遂にやりがいを感じる人
ゼネコンの仕事は多くの協力会社をまとめ、期限通りに建物を完成させる責任があります。
そのため「最後までやり遂げたい」という責任感が強い人に向いています。
困難な状況でも粘り強く取り組める人は、大規模プロジェクトで成果を残しやすく、達成感を得られます。
社会に残る建築物に携わりたい人にとって、ゼネコンはやりがいの大きい職場といえるでしょう。
体力やストレス耐性があり、現場仕事も苦にならない人
ゼネコンの現場は早朝から深夜まで稼働することも多く、体力的な負担が大きいのが特徴です。
また、工期短縮や安全管理などのプレッシャーに耐えられる精神的なタフさも必要です。
暑さ寒さに左右される屋外作業や、突発的なトラブル対応にも柔軟に動ける人は適性があります。
体力とメンタルの両面で強さを発揮できる人は、ゼネコンの厳しい環境でも成果を出しやすいでしょう。
人と調整・交渉することが得意な人
ゼネコンの施工管理は、協力会社や設計者、施主との調整が欠かせません。
現場では数十社以上の職人や業者をまとめる必要があり、交渉力やコミュニケーション力が求められます。
人と話すのが得意で、相手の立場を理解しながら合意形成できる人は重宝されます。
チーム全体をスムーズに動かす「調整役」としての力が、ゼネコンで成功するための大きな要素になります。
専門資格を取りながらキャリアアップを目指したい人
ゼネコンは資格取得を後押しする制度が整っているため、専門性を磨きたい人に適しています。
施工管理技士や建築士などの資格は昇進や給与アップに直結し、長期的なキャリア形成につながります。
学び続ける姿勢がある人は、ゼネコンで経験を積みながら資格を取得し、業界内外での市場価値を高められます。
スキルアップ志向の強い人にとって、大きな成長機会が得られる環境です。
大きな建築物・インフラづくりに興味がある人
ゼネコンの醍醐味は、社会的に影響力のある建築物やインフラを手掛けられることです。
「自分の仕事が街の景色を変える」「多くの人の生活を支える」という達成感を求める人に適しています。
建築や都市開発に興味があり、スケールの大きな仕事をしたい人はゼネコンに向いているでしょう。
情熱を持ってものづくりに関われる人は、厳しい環境でもモチベーションを維持しやすいのが特徴です。
ゼネコンが「やばい」と感じたときの選択肢
ここでは、ゼネコンの働き方に限界を感じたときに選べる選択肢を紹介します。
部署異動や転職など、自分のキャリアを守るための手段を知っておくことが大切です。
環境を変えることで、新しい可能性や働きやすさを見つけられるかもしれません。
部署異動や会社内でのキャリアチェンジ
ゼネコンの中には、施工管理だけでなく設計部門や営業部門、企画部門などさまざまな職種があります。
もし現場業務が合わないと感じたら、人事制度を活用して部署異動を検討するのも一つの方法です。
会社によってはキャリア面談や社内公募制度を導入しているケースもあり、希望を出せば配置転換が叶うこともあります。
まずは上司や人事に相談し、同じ会社内で自分に合った働き方を見つけることが、キャリアを継続するための現実的な選択肢となります。
転職でスキルを活かす(建設コンサル・メーカー・不動産など)
ゼネコンで培った施工管理やマネジメントのスキルは、建設コンサルタント、建材メーカー、不動産デベロッパーなど他業界でも高く評価されます。
例えばコンサルでは企画・調整力が、メーカーでは製品知識や現場経験が、不動産ではプロジェクト推進力が活かせます。
転職により労働時間や働き方を改善しつつ、収入や専門性を維持できる可能性もあります。
施工管理専門の転職エージェントに相談する
ゼネコンからの転職を考える際は、建設業界に特化した転職エージェントを活用するのがおすすめです。
施工管理や建築技術職に強いエージェントなら、一般公開されていない非公開求人や、自分のスキルに合った案件を紹介してもらえます。
また、給与交渉や労働条件の改善についてもサポートを受けられるため、一人で転職活動するより成功率が高まるでしょう。
ゼネコンに関するよくある質問
ここでは、ゼネコンの働き方に関するよくある質問に対して、Q&A形式で回答します。
気になる項目があれば是非チェックして疑問や不安を解消しましょう。
Q1:なぜゼネコンは「やばい」と言われるのですか?
A1:主な理由は長時間労働、人手不足による負担、安全リスク、工期プレッシャーなどです。
ただし、近年は働き方改革やDX導入で改善の動きも見られています。
Q2:ゼネコンの年収はどれくらいですか?
A2:厚生労働省の統計によると施工管理職の平均年収は600万円台で、全産業平均より高めです。
大手では賞与や手当を含めて800万〜1000万円に届くケースもあります。
Q3:ゼネコンの仕事はどんな人に向いていますか?
A3:責任感が強く最後までやり遂げたい人、体力やストレス耐性がある人、調整力や交渉力に自信がある人などが向いています。
資格取得への意欲が高い人も活躍しやすいと言えるでしょう。
Q4:ゼネコンを辞めたいと思ったらどうすればいいですか?
A4:まずは会社内での部署異動を検討し、それでも改善が難しい場合は転職を視野に入れましょう。
施工管理専門の転職エージェントを活用すると選択肢が広がります。
Q5:ゼネコンは今後どうなるのでしょうか?
A5:少子高齢化で人材不足は続きますが、ICT施工やBIM/CIMの普及により効率化は進んでいます。
労働環境は徐々に改善が期待でき、今後は「やばい」から「やりがいのある業界」へ転換していく可能性があります。
まとめ
ゼネコンは「長時間労働」「人手不足」「工期プレッシャー」などの理由から「やばい」と言われることがありますが、その一方で高い年収、大規模プロジェクトに携わるやりがい、資格取得によるキャリアアップといったメリットも多く存在します。
実際の口コミやデータを見ても、厳しさと魅力の両面があるのは確かです。もし現状に不安を感じた場合は、部署異動や転職といった選択肢を持つことで、自分に合った働き方が見つかります。
ゼネコンの働き方に悩んでいる方は、ぜひ『ベスキャリ建設』を活用してキャリアの方向性を整理してみてください。
業界に精通したアドバイザーが、転職市場の最新情報や企業ごとの特徴を踏まえた内容をご提案させていただきます。