工事現場を取りまとめる現場監督は、誰よりも早く現場に入り、誰よりも遅くまで仕事をする多忙な仕事です。
忙しさから現場監督を続ける自信がなくなると、「現場監督に向いていないのでは……」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、向いていないと感じたらすぐに退職を考えるのではなく、まずは続けられる方法を探ってみることが大切です。
今回は、現場監督が自信をなくしてしまう理由や、現場監督に向いていない人の特徴とその後の行動について解説していきます。
現場監督に向いていないと思うのはまだ早い!
現場監督に向いていないと感じる理由と、現場監督を続けるメリットを見ていきましょう。
入社したばかりの若手は自信がなくなる人がほとんど
現場監督として自信をなくしやすいのは、若手社員がほとんどです。新人現場監督は知識を吸収する段階なので、新人ならではの大変さがあると考えられるからです。
始業1時間前の出社や、経験が浅いとみなされて職人から怒鳴られる、現場の後片付けや掃除を言い渡されるなど、新人の現場監督にはありがちなことかもしれません。
新人の現場監督には覚えなければならないことが山のようにあるので、仕事量と比例して仕事がつらいと感じることもあるでしょう。しかし、掃除は職人の安全な作業の為、職人から怒鳴られるのは仕事の基本を覚えるチャンスと捉えれば、それぞれに意味があると考えられるはずです。
深刻な人材不足なので若手はチャンス
建設業界は人材不足にあり、とりわけ若手社員数の減少は深刻です。ベテランの現場監督や職人の高齢化が進んでいることもあり、いずれ世代交代が進めば、給与面を含め若手社員の待遇は今よりも良くなると期待できます。
退職を解決の手段とするのでなく、建設業界の将来を考慮して今の職場に踏みとどまることも一つの手といえるでしょう。
建設業界の人材不足を解消するために、政府をはじめ企業各社は環境改善に努めています。
国土交通省では、週休2日制の導入や適正な工期の推進など長時間労働の是正に関する取り組みや、技能や経験にふさわしい給与面での改善、作業の効率化といった「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定し、普及を進めています。
企業レベルでは、貴重な人材の流出を防ぐために、既存社員の給与額を上げるケースも見られるようです。
出典:令和7年度 週休2日制適用工事の概要 国土交通省
出典:働き方改革・建設現場の週休2日応援サイト 国土交通省
現場監督に向いていない人の特徴と改善策
「現場監督に向いていないから退職する」とすぐに退職を判断するのは避けたほうがよいでしょう。
ここでは、現場監督に向いていない傾向と、続けるための改善策を紹介します。
1. リーダーシップが不足している
現場監督は作業員への指示・監理や新人の育成など、多くの人を動かしながら工事を進めます。指示が曖昧だと作業員が不安になり、現場が混乱する原因になります。
入社直後から完璧なリーダーシップを発揮できる人は稀です。まずは業務を覚えつつ、周囲との信頼関係を築くことから始めれば、徐々にリーダーとしての力が身についていきます。
2. スケジュール管理が苦手
建設現場では工期内にすべての作業を終わらせる必要があるので、スケジュール管理も現場監督の大切な能力の1つになります。
工事に遅れが出る場合は、スケジュールを調整し、必要に応じて現場監督が現場作業員をサポートしなければならないこともあります。
また、現場では複数の仕事が同時に進行するため、優先順位の高い仕事から順番にこなすなど、現場監督には柔軟性のあるスケジュール管理能力も問われます。
現場監督は1人ではできない仕事であり、現場でコミュニケーションを取りながら仕事を進めなければなりません。
コミュニケーションの取り方やスケジュール管理、優先順位の見極め方などは、現場監督として経験を積みながらコツをつかんでいくといいでしょう。現場での「ありがちなこと」が少しずつわかってきます。
3. 年上の職人との関係づくりが苦手
若手の現場監督の場合、現場で働く職人の多くは年上です。
特に40〜50代のベテラン職人をマネジメントする場面も多く、最初は距離を感じることもあるでしょう。
良好な関係を築くためには、敬語で丁寧に接することや、急な依頼時にしっかり感謝を伝えることが大切です。さらに、段取りを的確に組めるようになると信頼が高まり、自然と協力的な雰囲気が生まれます。
「現場監督に向いていないかも」と思ったら取るべき行動
仕事の向き・不向きは、考え方次第で前向きな気持ちに切り替えることもできます。
しかし、どうしても現場監督を続けるのが難しいと感じた場合は、次のような行動を検討してみましょう。
まずは上司に相談してみる
仕事を続けるべきか悩んだら、まずは直属の上司に相談するとよいでしょう。
上司に現場監督の経験があれば、仕事の大変さや悩みを理解したうえで、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
相談相手は、以前から信頼関係のある上司や口が堅いタイプが理想です。もし相談できる上司がいない場合は、同期や友人、家族に話してみるとよいでしょう。
環境に恵まれた会社へ転職する
現場監督が関わる案件や職人、作業員の雰囲気は現場ごとに異なります。今の職場が合わないと感じるなら、転職で環境を変えるのも一つの選択肢です。
建設業界は深刻な人材不足のため、仕事内容や収入面で今より条件の良い企業に出会える可能性も高いでしょう。
例えば、大手ゼネコンは年収水準が高い一方で激務な職場も存在します。地方の建設会社は比較的ゆとりのある働き方が可能な場合もあります。
同じ現場監督でも仕事内容や働き方はさまざまですので、将来性や自分の希望条件を踏まえて、転職を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
現場監督に向いていないと感じるのは、仕事にまだ慣れていない新人に多く見られる傾向があります。
仕事量が多く、つらいと感じることもあるかもしれませんが、スキルが身につけば現場監督は大きなやりがいを得られる職種です。
たとえ自分には向いていないと思っても、考え方や仕事への取り組み方次第で前向きになれる可能性があります。
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