橋や道路、トンネルなど、インフラを支える大規模な構造物を造るのが土木工事です。建物を建てる建築工事と異なり、土木工事はさまざまな種類があります。これから土木工事の仕事に携わる場合、工事の種類と専門用語を覚えておく必要があります。今回は、土木工事の種類を踏まえ、土木工事でよく使う専門用語を紹介します。
■土木工事にはどんな種類がある?
土木工事の種類は、道路・トンネル工事と橋梁工事、河川工事・海岸工事、ダム工事、水道関連工事、土地区画整理工事などがあります。
交通機関や水道、河川、海岸の整備、土地の造成など、土木工事は人々が生活する上で欠かせない工事です。
土木工事を実施する際、許可が必要になるケースが多くを占めます。税込み500万円以上の土木一式工事を請負う場合、土木工事業の建設業許可が必要です。
土木一式工事とは、元請けの立場で土木工事の総合的な企画・指導・調整のもと、土木工作物を建設する工事のことです。
土木一式工事は、トンネルや道路、下水道、宅地造成、堤防など、多くの土木工事に該当します。
また、土木一式工事以外では、土木工事の種類ごとに許可を取得する必要があります。
■土木工事でよく使う専門用語
土木工事に携わる場合、以下の専門用語を覚えておくと仕事に役立ちます。はじめて土木の世界に挑戦する方は、あらかじめ用語を覚えると仕事内容をよりイメージしやすくなるでしょう。
◇グルービング工法
グルーピング工法とは、路面にスリット(切り込み)を施すことで、雨水を素早く路肩に排出し、凍結やスリップ事故を防ぐものです。
舗装した道路に、4~6mm程度の切り込みを6cmほどの間隔で、全面に施すのがグルーピング工法の特徴です。この工法は、急カーブや急勾配な地形など、事故が起きやすい場所に施します。
◇ユニバーサルデザイン
土木工事におけるユニバーサルデザインは、障害がある方でも、空港や駅などの公共施設が使いやすい設計にすることを言います。
身近にあるユニバーサルデザインは、ノンステップバス、スロープ、幅の広い改札、シャワートイレなどがあります。
◇ライフライン
ライフラインとは、生活や生命を維持するうえで欠かせない、電気やガス、上下水道、道路といった、線や管で結ばれたシステムの総称です。
地震などでライフラインが災害を受けた際は、早急な復旧が求められます。
◇ドラグ・ショベル
ドラグ・ショベルとは、掘削用機械の1種です。油圧ショベル、バックホウ、ユンボパワーショベルという呼び方をすることもあります。
ドラグ・ショベルは掘削用ですが、アタッチメントを取り換えることでクレーンや荷の吊り上げ作業などの用途で使用が可能です。
◇作業装置(油圧ショベル)
作業装置とは、油圧ショベルの構造の1つで、バケットを動かして実際に作業をおこなう装置のことです。主な作業装置は、油圧シリンダーやアーム、ブームなどがあります。
◇無限軌道
無限軌道とは、ショベルカーや戦車などに搭載されている走行装置のことです。無限軌道が正式名称ですが、アメリカのキャタピラ・トラクター者の商標登録から、キャタピラーの名前で広く知られています。
◇本体構造
本体構造とは、建設リサイクル法が定める、建築物以外の土木工作物にかかわる解体または新築工事の工程の1つです。本体構造工事とは、道路の舗装、橋梁の場合は橋脚や橋台、桁など、河川の堤防や護岸などの設置、または撤去のことを指します。
◇鉄骨切断カッター工法
鉄骨切断カッター工法は解体に用いられる工法で、油圧ショベルの先端に鉄骨切断カッター機を取り付けて解体をおこないます。
鉄骨切断カッター工法は高所作業が少ないうえに、解体の能力が大きく、大規模な解体が可能というメリットがあります。