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現場代理人の役割・権限・労災事故の責任とは?現場代理人に向いている人も紹介

更新:2022-05-16

現場代理人の役割・権限・労災事故の責任とは?現場代理人に向いている人も紹介

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建設現場ではさまざまな役職がありますが、現場代理人は何をする人なのかご存知でしょうか?現場代理人は経営者の代理という重要な職務があり、その仕事はあらかじめ定められた権限で行ないます。

今回は現場代理人の役割仕事内容、現場代理人が担う権限と労災事故の対応、現場代理人に向いているタイプについて解説していきます。

 

■現場代理人とは何をする人?

現場代理人が担う役割と、仕事内容を見ていきましょう。

 

◇現場代理人の役割

現場代理人は、建設現場において経営者の代理として責任を負う立場にあります。本来であれば経営者自身が現場に行き、管理・運営を行なうことが理想ですが、1人の経営者が複数の現場へ同時に行くのは現実的に不可能です。そのため、経営者の代理という形で現場代理人が選任されることになります。

法律上、現場代理人の配置義務はありませんが、中央建設業審議会による「公共工事標準請負契約約款」では、公共工事においては配置義務が定められています。公共工事以外は現場代理人を置かなくても問題ありませんが、実際は民間の建設工事においても、現場代理人の配置が求められることが一般的です。

現場代理人になるには、特別な資格は必要ありません。建築の知識や経験がなくても、現場代理人になることは可能です。しかし、主任技術者や監理技術者と兼任することもあるため、多くの場合、現場代理人は実務経験や資格を持つ人が選任されます。

なお、現場代理人は経営者の代理を務めることから、経営者に近い地位にある人が就くことも少なくありません。現場代理人に雇用形態の規定はありませんが、現場の責任をすべて負うため、出向の社員や派遣社員が選任されることはほぼないでしょう。

 

◇現場代理人の仕事内容

現場代理人の仕事は、責任者として工事現場に常駐し、現場全体の運営と取り締まりを行なうことです。具体的な仕事内容は現場監督や施工管理職と同様で、現場の施工管理や指導監督に従事します。ただし、仕事の範囲は企業で異なるため、なかには現場で作業に携わるケースもあるようです。

その他、現場代理人の重要な仕事の一つが、請負代金額の変更と請求、受領です。現場代理人と現場監督は一見すると似ていますが、請負代金に関する業務に携わるという点で大きく異なります。

 

■現場代理人の権限と労災事故の責任について

次に、現場代理人が担う業務範囲の権限と、建設現場で起きた労災事故の対応を解説します。

 

◇現場代理人が負う権限

経営者の代理人とはいえ、現場代理人が担う権限は限定的です。現場代理人は請負代金の変更、請求、受領に携われる一方、重要な契約内容の変更や契約の解除は現場代理人の権限に含まれません。建設現場の経営に関わる大きなトラブルは、現場代理人では処理できないのです。

現場代理人が担う権限は、あらかじめ書面にして工事の発注者に通知する必要があります。権限を書面にしておくことで、責任の所在が明確になります。

 

◇労災事故に対する現場代理人の責任とは?

労災事故が起きた場合は、統括安全衛生責任者がトップの責任者になります。統括安全衛生責任者とは、建設現場の安全衛生を統括・管理する役割です。具体的には、現場作業の巡回や労災事故の原因調査、再発防止策の策定などを行ないます。

現場代理人は統括安全衛生責任者と兼務するのが一般的なため、事故に対しても責任を負うケースが多くあります。ただし、統括安全衛生責任者を兼務していない場合でも、現場代理人は労災事故の発生時に指導的役割を果たさなければなりません。

労災事故が起きた場合、以下のフローで事故対応を行ないます

1. 労災発生後、被災者の救護や救急搬送、家族へ連絡(死亡事故など重大事故の場合は警察と労働基準監督署に通報する)
2. 事故の2次災害予防を講じる
3. 事故状況の調査と原因究明(通報した場合は警察や労働基準監督署の現場検証や事情聴取に対応する)
4. 労働基準監督署への届け出(通報しない場合)
5. ミーティングの開催、設備や装備の変更、安全衛生教育などにより再発防止策を検討、実施

労働安全衛生法において、現場代理人を含めた監督者に対し労働災害防止対策が義務付けられています。法に則った対策ができているかの確認も必要になるでしょう。

 

■現場代理人に向いている人とは?

請負代金の管理や現場の運営・取締を行なう現場代理人は、以下のタイプに該当する人が適しています。

 

◇コミュニケーション能力が高い

現場代理人は現場の職人や工事業者、経営者とのやり取りが欠かせません。工事をスムーズに進めるには関係者との連携が必要なため、現場代理人には高いコミュニケーション能力が求められます。

また、一方的な指示や指導ではなく、現場の作業員の意見に素直に耳を傾ける姿勢や、仕事への熱意も必要です。円滑なコミュニケーションに加え、率先して仕事を行なう姿勢により、信頼を得られるでしょう。

 

◇建設現場の知識がある

現場代理人が実際に施工に携わることは多くありませんが、職人への指導監督も重要な仕事の一つです。的確な指導監督を行なうには、ある程度建築の知識が求められます。それに加えて、工事内容や進め方、道具や機械など、現場の知識があることも大切です。

 

◇問題解決能力がある

建設現場は常に危険と隣り合わせの環境です。契約変更といった不測の事態が起こったときにも、冷静に対応できる判断力や問題解決能力も現場代理人には必要になります。トラブルが起きたときは、現場代理人が真っ先に行動し指示を出さなければなりません。

 

◇仕事の段取りがいい

現場代理人の仕事は、「8割が段取り、残り2割は現場」といわれています。仕様書や図面をくまなくチェックし、現場との相違点をなくすよう段取りを組める人は現場代理人に適任といえます。また、想定どおり進行しない場合を考慮して、代替案も準備しておくとより信頼度が上がるでしょう。

 

■まとめ

現場代理人は経営者の代理として、建設現場全体の運営や取締、施工管理、職員への指導監督、請負代金の変更請求受領などの仕事を行ないます。

現場代理人になるには資格や経験を問いませんが、現場で指導監督するにあたりある程度建築や現場の知識は必要です。また、統括安全衛生管理者の役割も兼務するため、労災事故が起きたときには適切な対応が求められます。

現場代理人を目指すことは、建設業界におけるキャリアアップ方法の一つです。ご紹介した現場代理人に向いている人の特徴を確認し、日頃から意識的に伸ばすようにしてみましょう。

現場代理人になりたい方や、現場代理人について何か疑問がある方は、現キャリのキャリアアドバイザーにぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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