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フーチング基礎とは?建物を支える基礎の重要性と基礎の種類

更新:2022-05-16

フーチング基礎とは?建物を支える基礎の重要性と基礎の種類

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建物を建設する際、さまざまな種類の工事が必要です。建物を支える働きをもつ基礎工事もその一つで、地盤の状態に合わせた基礎工事を行ないます。基礎を作る構造の一種に「フーチング基礎」というものがあります。

今回は、基礎の重要性と基礎の種類、フーチング基礎の目的のほか、基礎スラブとの違いについても解説していきます。

 

■建設における基礎の重要性とは?

基礎とは、建物の最下部にある構造で、建物の荷重である垂直の力、地震の揺れなどの水平の力を地盤に伝えます。基礎は、建物の自重や地震などで建物が倒壊や沈下しないよう、安全性を高める重要な働きをもっています。

 

■基礎の種類とその違いについて

先に述べたように、地盤の状態と建物の重量で適した基礎が異なります。地盤が良好で支持層が浅い場合は、地盤に基礎を直接設置する「直接基礎」、直接基礎では建物を支持できない軟弱な地盤は、杭を打ち込む「杭基礎」を用います。次からは、直接基礎と杭基礎の種類を見ていきましょう。

 

◇フーチング基礎(布基礎)

フーチングとは、地盤の支持力を上げる効果がある、基礎の底面が広い部材のことです。フーチングを設置した直接基礎を「フーチング基礎」と呼びます。

フーチングを用いる「布基礎」は、逆T字型のフーチングを建物の外周と内部の必要な部分に連続して設置します。フーチングが帯状につながっていることから、布基礎のことを「連続フーチング基礎」とも呼びます。

布基礎は柱や壁の下に連続して基礎を設置し、柱の間に基礎を敷き詰めていくため、底版(フーチング)と壁(あるいは地中梁)が一体化した形状になっています。フーチングと地中梁が一体化した布基礎は、コンクリートを一面に敷設するベタ基礎よりもコストを抑えることが可能です。ただし、基礎の内側は土が露出しており、湿気に弱くシロアリ被害に遭いやすいデメリットがあります。

 

◇ベタ基礎

ベタ基礎も直接基礎の1種で、布基礎の間に鉄筋コンクリートを流し込む方法です。柱の位置に関係なく基礎を敷き詰めて建物を面で支えるため、沈下しやすい軟弱な地盤に適しています。

布基礎と異なり、コンクリートを敷き詰めるため、湿気やシロアリ被害に強い特長があります。コンクリートの使用量が多くなる半面、基礎を造る掘削や型枠の使用量が少ないため、施工しやすいのが特長です。

 

◇独立基礎

独立基礎とは、建物の主要な柱の底部に、独立した基礎を設置する方法です。独立基礎も直接基礎の1種で、独立フーチング基礎とも呼ばれます。

独立基礎は神社や古民家などの伝統的な日本家屋に用いられていましたが、現在は住宅以外の基礎で多く用いられています。

 

◇杭基礎の種類

杭基礎とは、基礎地盤から地中の固い支持層まで杭を入れる基礎のことです。

支持層とは、固い地層(N値50)の基礎が5メートル連続する層のことを指します。杭基礎はコンクリート製の杭を支持層まで到達させ、杭の上に土台を築く「支持杭基礎」と、支持層まで杭が届かない場合に杭の摩擦力で過重を支える「摩擦杭基礎」があります。

また、円形や長方形など中空箱状の構造物を支持層まで到達させる「ケーソン基礎」、杭基礎と直接基礎を併せ持つ「パイルドラフト基礎」も杭基礎の一種です。

 

■フーチング基礎の目的と基礎スラブとの違い

ここからはフーチング基礎の目的とメリットと、フーチング基礎と基礎スラブとの違いを解説します。

 

◇フーチング基礎の目的とメリット

先述したように、フーチングは基礎そのものを指すのではなく、地盤の支持力を高めるために基礎の底面を幅広くした部材です。フーチングはもともと和製英語で、足の裏に形状が似ていることから「footing=足の裏」と呼ばれます。

建物の重さを支えるには、面を広くする必要があります。フーチングを設置することで地盤に接する面が広がり、建物の自重を分散させ、倒壊や沈下を防ぐ効果をもたらすのです。

フーチングの幅の大小は、地盤の強さを数値化する「地耐力」にもとづいて変わります。

地耐力が大きい地盤はフーチングの幅を小さくしても建物を支えられますが、地耐力が小さい地盤はフーチングの幅を広くしなければなりません。

なお、重量が重い鉄筋コンクリート造はフーチングの幅を広く、比較的重量が軽い木造住宅はフーチングの幅を小さくすることも可能です。

地耐力に合ったフーチングを活用すると、地震などの自然災害に強い建物が建てられます。

 

◇基礎スラブとは?

フーチングと似た用語である基礎スラブは、上部構造の応力を地盤に伝える構造部材の総称です。

基礎の形式によってスラブに該当する部分が異なり、フーチング基礎および独立基礎は、フーチングの部分が基礎スラブに該当します。具体的にいうと、I字型をしたフーチングの底面部分が基礎スラブです。

ベタ基礎の場合は、基礎の役割をもつ床の耐圧版が基礎スラブです。耐圧版は建物の重量を支える床のことで、積載荷重や上部構造の重さを支える基礎の役割があります。

なお、フーチング基礎(布基礎や独立基礎)は、ベース筋、はかま筋といった鉄筋を入れます。ベース筋は、上部構造の重量に対する地盤からの反力に対する鉄筋、はかま筋はひび割れを防止する働きがあります。

 

■まとめ

基礎は建物の重量や地震の揺れといった力を地盤に伝え、建物の倒壊や地盤沈下を防ぐ重要な働きがあります。

地盤が強固な場合は、地盤に基礎を設置する直接基礎、支持層が地中深くにある軟弱な地盤は杭基礎を用いることが一般的です。

フーチングは基礎の底面を広くした部材であり、フーチングを設置した基礎をフーチング基礎と呼びます。フーチングは地盤の地耐力に応じて幅を広くしたり、小さくしたりできるのが特徴です。フーチングを有効活用することで、自然災害に強い建物が建てられます。

また、基礎スラブは、上部構造の応力を地盤に伝える構造部材の総称です。フーチング基礎の場合は、フーチング部分が基礎スラブに該当するため、混同しないよう注意しましょう。

この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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