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空調・衛生設備設計とは?仕事内容と工事の種類、仕事に役立つ資格4選

更新:2022-05-13

空調・衛生設備設計とは?仕事内容と工事の種類、仕事に役立つ資格4選

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室内の温度・湿度を快適にする空調設備や、トイレなどの衛生設備は生活に欠かせないものです。空調・衛生設備設計は設備の配置を考えるだけでなく、空気と水の流れを考慮する必要があります。

空調・衛生設備設計に携わる場合、工事内容に役立つ資格を取得するのがおすすめです。今回は、空調・衛生設備設計の目的と仕事の流れ、空調・衛生設備工事の種類と関連資格について解説します。

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■空調・衛生設備設計の目的とは?

配管空調設備、衛生設備を設計する目的を見ていきましょう。

 

◇空調設備設計の目的

空調衛生設備とは、空調(冷暖房)や換気に関する設備のことです。建物内を快適な空間にするには、空調設備で室温や湿度など快適に保つ必要があります。空調設備設計ではスムーズに給気と排気ができるよう、空気の流れを考慮することが大切です。

空調設備は断熱、日照・日射の遮光と一体となって空調の効果が発揮されるため、早い段階から設計の協議を行なう必要があります。

 

◇衛生設備設計の目的

衛生設備とは、給排水、給湯、消火、ガスなどを利用した設備のことです。衛生設備を設計するには、水の流れをコントロールする必要があります。飲み水などの生活用水を供給するだけではなく、排水の量に合ったサイズの配管を設計するなどの調整が必要です。

また、建物の見えない部分への配管設置と、老朽化した配管の修繕も考慮しなければなりません。衛生設備は衛生面に重点を置いた設備のため、水域や土壌汚染などの自然環境、省エネルギーも考慮した設計が必要です。

 

■設備設計の仕事内容&空調・衛生設備工事の種類

空調・衛生を含めた設備設計の仕事内容、空調・衛生設備工事の種類を解説します。

 

◇設備設計の基本的な仕事内容

建築に関わる設計を大まかに分けると、意匠設計、構造設計、設備設計の3つです。このうち設備設計は、水道や電気など生活に直接関わる部分の設計を行ないます。

設備設計では発注者と打ち合わせした内容をもとに、計画と企画プランを発注者に提案します。提案の了承後、基本設計、実地設計を経て設備設計図を作成するのが、基本的な仕事の流れです。

基本設計では予算配分や機器の容量などを決め、基本設計の完成後に実施設計の図面を作成します。設備設計は建物の快適さや機能に関わるため、設計の工程で安全性や環境性、機能性、耐久性、デザイン性などの考慮が必要です。

また、設計の完了後に工事発注の予算を出したり、設備の設置に必要な部材や機械の見積もりを出したりすることも設備設計の仕事です。

 

◇空調・衛生設備工事の種類

空調・衛生設備設計が関係する、設備工事の種類は次のとおりです。

 

・空気調和設備工事

空気調和設備工事とは、室内の温度、湿度、気流、空気清浄をコントロールする空気調和設備の設置工事です。空調システムの設置による配管工事、ダクト工事の提案、施工などを行ないます。

空気調和設備は、商業施設や病院などを対象とした「対人空調」と、半導体産業のクリーンルーム設備や医薬品・食品などの生産環境のための「産業(プロセス)空調」に分かれます。

室温、湿度、気流、空気清浄のコントロールに加え、化学物質やにおい、騒音、振動などを排除する設計が必要です。さらに、省資源、省エネルギーが実現可能な環境作りも、空調・衛生設備設計に求められます。

 

・給排水衛生設備工事

給排水衛生設備工事は、水に関わる設備を設置する工事のことです。給排水衛生設備とは、上水道やキッチン、トイレなどを指します。また、給湯設備、ガス設備も給排水衛生設備の一部です。

 

・環境衛生設備工事

環境衛生設備工事とは、環境に影響を与える汚水処理設備の工事です。環境衛生設備は、し尿浄化層、汚水処理、塵芥処理、公害防除設備などが挙げられます。

環境衛生設備工事は自然環境、インフラストラクチャと関係が深いため、水域や土壌汚染を防ぐこと、省エネも考慮して設計する必要があります。

 

・消火設備工事

消火設備工事は、消火活動に必要な設備を設ける工事です。消火設備には、スプリンクラー、消化器、火災報知機、避難はしごなどが該当します。

消火設備は空調・衛生設備と関連がないように見えますが、建物で安全に過ごすために欠かせないものです。近年は、パソコンなどの情報通信機器を備えており、貴重なデータや設備の被害を最小限に食い止めなければなりません。建物と人命、情報を火災から守るため、消火設備工事の実施や法令に基づく点検作業が必要になります。

 

・特殊管設備工事

特殊管設備工事とは、冷蔵、冷凍、輸送管などの設置に必要な工事のことです。一般的な住宅やオフィスではなく、冷蔵や冷凍などの設備を必要とする工場で実施されます。

 

■空調・衛生設備設計の仕事に必要な資格とは?

結論からいうと、設備設計を行なううえで必須の資格はありません。設備設計は実務経験がものをいうため、日々の仕事を着実に行なうことが大切です。

とはいえ、空調や衛生、設計に関する資格を取得していれば、その分野のプロフェッショナルと認められます。ここでは、空調・衛生設備設計に役立つ、4つの資格について解説します。

 

◇管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、配管を設置する管工事の施工管理に関する技術や知識に関する資格です。国家資格である施工管理技士には工事種類別に7種類があり、管工事施工管理技士はそのなかのひとつになります。

空調・衛生設備に配管は欠かせないため、管工事施工管理技士は業務に直結する資格です。施工管理技士は1級と2級があり、1級は特定建設業における専任の技術者、監理技術者になることが可能です。一方、2級は一般建設業の専任の技術者、主任技術者と認められます。

なお、1級管工事施工管理技士を取得すると、建築設備士の受験資格が得られます。

 

◇空気調和・衛生工学会設備士資格

空気調和・衛生工学会設備士資格(工学会設備士)は、公益社団法人・空気調和衛生工学会が主催する資格です。工学会設備士資格は、空気調和設備、給排水衛生設備に携わる人材の技術、知識の向上を目的としています。

試験方式は空調部門と衛生部門に分かれており、試験内容は設備の計画や設計、施工に関する基礎知識に関する問題がメインです。空調設備、衛生関連の知識が身につくため、受験勉強が仕事に役立つメリットがあります。工学会設備士資格は一般の知名度が低いものの、建築設備分野では高い評価を得ています。

なお、工学会設備士資格を取得すると、建築設備士の受験資格が得られます。

 

◇建築設備士

建築設備士とは、空調、給排水、電気などの建築設備の設計、工事監理のアドバイスができる資格のことです。高度化、複雑化が進む建築設備のプロフェッショナルとして、建築士に適切なアドバイスを行なうのが建築設備士の職務です。

建築設備士を受験するには、学歴と実務経験の要件を満たす必要があります。建築設備の上位資格ということもあり、一級建築士よりも難度が高いようです。特に難度が高いのは学科の1次試験で、例年の合格率は30%前後です。一方、設計製図の2次試験は、合格率が50%程度と高くなっています。

なお、建築設備士を取得し、所定の実務経験要件を満たすと一級建築士の受験資格が得られます。

 

◇設備設計一級建築士

設備設計一級建築士は、一級建築士のみが受験できる設備設計の最高位資格です。

大規模な建物は不特定多数の人が利用するため、複雑な設備設計の安全性、信頼性が求められます。3階以上、床面積の合計が5,000メートル以上の建築物では、設備設計一級建築士が自ら設計に携わる、または設備関係規定の適合性を確認することが建築士法で義務付けられています。

設備設計一級建築士の試験を受けるためには、一級建築士を取得し、かつ実務経験が5年以上必要です。さらに講習課程の修了が必要となり、簡単に取得できる資格ではありません。取得が難しいからこそ、設備設計のプロフェッショナルと認められます。

 

■まとめ

空調・環境設備設計とは、空調設備、環境設備の配置や配管などを設計する業務です。空調・環境設備設計では、空気、水の流れをコントロールし、自然環境や省エネにも配慮した設計が求められます。

空気・環境設備設計で実施する工事は、空調調和設備工事、衛生設備工事、給排水衛生設備工事など、さまざまな種類があります。空調・衛生設備設計に携わる場合は関連資格を取得すると、設備設計のプロフェッショナルとしての道が拓けるでしょう。

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