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建築積算士資格とはどのような資格?公共工事と民間工事における建築積算士の仕事内容を解説

建築積算士資格とはどのような資格?公共工事と民間工事における建築積算士の仕事内容を解説

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建設業には現場の仕事だけでなく、裏方として現場を支える「積算」という仕事もあります。積算は建設費を算出する仕事であり、建築積算士はそのプロフェッショナルであると認められる資格です。積算はどの工事でも行われますが、公共工事と民間工事で建築積算士の仕事内容は異なります。今回は、積算の仕事や建築積算士の基礎知識を踏まえ、建築積算士の具体的な仕事内容について解説します。

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■建築積算士の基礎知識

積算という業務の概要、建築積算士の基礎知識について見ていきましょう。

 

◇そもそも積算とは?

積算とは建設業独自の職種で、工事費の見積もりを算出する仕事です。

仕様書や設計図書、デザインから使用する材料と必要な数量を算出し、合計の工事費を計算します。床面積や高さ、構造の種類から積算をしますが、実際の積算業務では、さらに「工事期間」を考慮した工事費用を算出しなければなりません。

積算業務に携わるには、設計図書を読み解くスキルに加え、建設業に関する専門知識が必要です。ただし、近年では積算業務の専用ソフトを使用することが一般的です。 積算の知識がなくてもデータ入力で積算業務が可能なため、未経験者を採用する企業も多く見受けられます。 建設業に興味があり、知識を習得する意欲のある方なら十分活躍できるでしょう。 ただし、パソコンの基本操作、Excelの基礎的な知識は身につけておくことをおすすめします。

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◇建築積算士資格の概要

建築積算士資格は、工事費における数量算出から工事費算定まで、積算業務に必要な知識を保有していることを証明できる資格です。建築積算士資格は、建設会社や設計会社のコスト部門、営業部門、積算部門、現場管理担当者などで活かせます。

建築積算士資格は日本建築積算協会が認定する資格であり、下位資格に建築積算士補、上位資格に建築コスト管理士があります。建築積算士補は積算の専門家予備軍に、建築コスト管理士は建築プロジェクトの企画構想から施工まで、全体的なコストマネジメントの専門家になれる資格です。

 

◇建築積算士に必要な知識とは?

建築積算士は積算のプロフェッショナルであるため、資格取得には幅広い知識が求められます。建築積算士に必要な知識として、次のものが挙げられます。

 
◆建築積算士に必要な知識

No.

建築積算士に必要な知識

1

生産プロセス

建設産業の特徴と変遷および現状、コストマネジメントの考え方、建築生産プロセスとマネジメント

2

工事発注スキーム

入札の種類、発注方式、契約方式、数量公開、発注単位(パッケージ)

3

設計図書構成

設計図書構成と種類、優先順位

4

工事費構成

直接工事費と共通費の構成、主要建物用途の種目別工事費構成比率

5

積算業務内容

積算業務の流れ、積算実務(仮設、土工、躯体、仕上、設備、屋外施設、改修)、概算手法の概要、値入業務

6

数量積算基準

基準および同解説の理解

7

標準内訳書式

基準および同解説の理解

8

主要な市場価格

市場価格、コスト情報の入手方法

9

データ分析と積算チェック

データ整理、歩掛、分析方法、積算チェック

10

施工技術概要

建築施工プロセス、標準的な施工法、特殊工法(省力化、工業化、工期短縮など)概要

11

LCCVE概要

LCC(ライフサイクルコスト)の概要、VE(バリューエンジニアリング)の概要

12

環境配慮概要

環境配慮とコスト概要

引用:公益社団法人 日本建築積算協会 | 資格に求められる知識の具体例

表のとおり、必要な知識が幅広いため、実務経験が少ないと合格は難しいとされています。ただし、設計図書を読み解く力があれば、合格できる可能性は十分あるでしょう。

 

■建築積算士の具体的な仕事内容

建築積算士の基本的な仕事内容を踏まえ、公共工事と民間工事における仕事内容の違いを解説します。

 

◇建築積算士の基本的な仕事内容

建築積算士の基本的な仕事内容としては、最初に積算業務を行うにあたって設計図や仕様書から発注者の要望や意図を把握し、必要な材料や数量を拾い出します。図面に描かれていないことまで想像し、費用を算出する能力が必要です。次に、使用部材の算出、工法内容や作業時間を考慮した人件費の算出も行います。

大まかな予算を算出したあと、概算予算書と見積書を作成します。見積書の金額が発注者から提示された予算を超えた場合、設計者にプランの見直しをアドバイスすることもあります。

 

◇公共工事における建築積算士の仕事内容

公共工事では、国土交通省や自治体が設けている積算基準と、単価に応じて積算します。工事の公告資料をしっかり把握したうえで、積算業務を行うことが基本です。

公共工事の場合、建築積算士が算出する工事費とは、入札で提示する価格でもあります。公共工事は税金を使うため、事前の競争入札で工事業者を選定するのが決まりです。

競争入札は公示価格を競うものであり、実現可能かつ最適な工事費を算出しなければなりません。さらに、競争入札では金額が安い業者が選ばれるため、公示金額は企業の戦略も含めて設定する必要があります。

 

◇民間工事における建築積算士の仕事内容 

民間工事であっても、公共工事と同様に競争入札で業者を決めることが一般的です。ただし、民間工事の入札は公共工事ほど厳格な決まりがないため、入札の結果に縛られることなく、発注者が業者を自由に決められます。

とはいえ、工事費に関する双方の合意は必要です。建築積算士は設計図書などの根拠に基づいた、正確な工事費を算定しなければなりません。特に、建築工事は民間工事が多いため、市場の動向を調査し、把握することも求められます。

なお、建設会社や設計事務所などの設計業務を実施する企業では、建築積算士がコスト管理を担うこともあるようです。予算内で発注者の要望を実現するため、コスト管理の観点から、設計者と検討することもあります。

 

■まとめ

積算は工事費を算出する業務で、建設業独自の職種です。積算業務の専門家と認められる資格が建築積算士資格であり、設計図書や施工など幅広い知識が求められます。

建築業務では、設計図書や仕様書から発注者の意図をくみ取ったうえで、必要な資材や人件費を算出します。公共工事では積算基準に沿って工事費を算出する必要があり、入札の価格として用いられます。一方、民間工事の入札は公共工事ほど絶対的ではないため、企業の戦略も踏まえて工事費を算出するスキルが必要です。

建築積算士の仕事に興味がある方は、アドバイザーにご相談ください。

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この記事を書いた人

ベスキャリ建設 編集部

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