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積算とは?見積もりの違いや必要性、業務に必要な4つのことを解説

更新:2025-02-11

積算とは?見積もりの違いや必要性、業務に必要な4つのことを解説

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積算は工事費用を算出するもので、見積もりはさらに利益を加算した、発注者に提示するための金額です。見積もりを出すには正確な積算が必要になるため、どちらも建設工事を進めるうえで重要な役割を担います。正しい積算を行うには、施工に必要な材料や人員の数を間違えないことだけでなく、施工計画や周辺環境などの要素も考慮しなければなりません。

今回は、積算と見積もりの役割と違い、正確な積算業務に必要な4つの要素について解説します。

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■積算と見積もりの役割と違い

積算と見積もりの概要を踏まえ、具体的な違いについて見ていきましょう。

 

◇積算とは?

積算とは、建設工事にかかるすべての費用を、積み上げて算出することです。実際の積算業務では、設計図書や仕様書をもとに費用を拾い出し、積み上げ式で工事費用を算出します。

工事に使用する材料と数量の拾い出しに加え、施工条件から必要な人員の職種や資格を把握し、人材の算出を行います。算出した数量や人員数に単価をかけて、合計したものが工事費用です。足場など仮設物、現場管理に必要な福利厚生費なども工事費用に該当します。

なお、積算で算出する工事費用は、「工事原価」と「一般管理費」で構成されます。

工事原価とは、工事の施工や現場管理にかかる工事費用のことです。工事原価の内訳は、材料費や人件費などの「直接工事費」、足場などの仮設設備や現場管理に必要な経費「間接工事費」です。一般管理費とは、施工とは直接関わりのない、企業の経営を維持するための経費を指します。
 

◇見積もりとは?

見積もりとは、積算で算出した工事費用に利益を加算した金額のことです。積算はあくまでも工事費用のみで、利益を含んでいないのが見積もりとの根本的な違いです。

つまり、見積もりは顧客が支払う「請負金額」に該当するものであり、工事費用と予算を比較する判断材料となります。

 

◇積算と見積もりの違いは利益の有無

積算で算出する工事費用に利益は含まれないため、工事を受注する場合、利益を含む見積もりを別途行う必要があります。見積もりの内訳は、「見積もり額=工事費用(工事原価+一般管理費)+利益額」です。

工事費用が決まらないと利益も計上できないため、正確な見積もりを出すには積算が不可欠です。そのため、積算と見積もりは同時に行うものではなく、積算から見積もりの順に実施します。
 

 

■建設工事における積算、見積もりの必要性

建設工事における積算・見積を行う女性

建設工事において、積算と見積もりが必要な理由について解説します。

 

◇建設工事で積算を行う理由

建設工事で積算を行う理由は、工事によって工事費用がその都度異なるためです。

同じ工事内容であっても、施工場所、材料の相場の変動、作業員数、気象条件、工事期間の延長など条件が異なります。工事内容、工事費用がまったく同じになることはなく、過去に積算した結果をそのまま流用することはできません。したがって、工事ごとに積算を行い、適正な費用を把握する必要があります。

建築物、鋼構造物を問わず工事は受注生産であり、かつ積算が建設業界特有の業務であるのも、工事によって条件が変わるためです。同じ材料、同じ製法で画一的な製品が作れる製造業と比較するとわかりやすいでしょう。

また、どんぶり勘定で工事費用を設定した場合、想定より費用がかさみ、赤字になる可能性があります。積算で正しい費用を把握することは、利益を確保することにつながります。
 

◇建設工事で見積もりする目的と必要性

建設工事で見積もりする目的は、顧客に必要な支払い額を伝えることです。最初に提示する見積もりは概算であり、顧客側は提示額を見て、依頼をするか判断します。

また、見積もりを提示した際、一部変更希望や値下げ交渉があり、見積をやり直すことも珍しくありません。打ち合わせを重ね、顧客が金額と施工内容に納得できたタイミングで見積もりが確定し受注となります。
 

 

■正確な積算業務に必要な4つのポイント

正確な積算業務を行う為のスケジューリング

積算業務をスムーズ、かつ正確に行うには、以下のポイントを実践する必要があります。

 

◇施工計画を練る

積算を成功させるには、施工計画をしっかり立てることが大切です。施工計画で工程表を作成する場合、施工計画を細かく反映させると、積算に必要な情報を把握しやすくなります。

積算に必要な情報とは、使用する材料や建設機械、施工方法、仮設施設などが挙げられます。また、安全衛生や環境整備、工事で発生するスクラップなどの建設副産物の処理方法も施工計画に記載すると、積算業務の漏れを防ぐことが可能です。
 

◇建設現場の環境も考慮する

現場の気候条件、地形などは施工方法に影響するため、現場の環境も積算で考慮しなければなりません。気候条件では、夏の工事の熱中症対策、積雪地域の除雪費用、地形では地盤が弱い土地への対応が挙げられます。

なお、環境の状況により、工事に必要な人員数にも違いが出ることもあります。設計図を見ただけでは状況を完全に把握できないため、必要に応じて担当者の問い合わせも必要です。
 

◇歩掛は臨機応変に対応する

歩掛とは、ひとつの作業にかかる手間を数値化したもので、1人の作業員が8時間でできる作業量を示します。歩掛は労務費の計算で用いる数値で、正しい積算に欠かせない要素のひとつです。

材料費は「単価×数量」で求められますが、労務費は工賃を含む必要があります。ただし、労務費を算出するには、施工方法や工事の難易度、作業員の熟練度で作業時間が異なることを考慮しなければなりません。そのため、工事の種類や内容ごとに歩掛の係数を用いて算出すると、より正確な工事費用を算出できます。

実際の労務費を計算する際、標準的な歩掛を示す「公共建築工事標準単価積算基準」を参照します。公共建築工事標準単価積算基準では、材料のサイズや種類、使用機械に応じた歩掛が細かく記載されています。

ただし、現場の条件が、積算基準と完全に一致するとは限りません。基準の歩掛は参考程度にとどめ、現場の状況を考慮し、厳密化を避けて臨機応変に対応することが大切です。

 

◇労務費を適正にする

歩掛を用いて適正な労務費を把握し、積算に反映させることは積算で重要なポイントです。
労務費の計算で用いる「労務単価」は、国土交通省の「建設保全業務労務単価」を参考にすることが一般的です。

前述の公共建築工事標準単価積算基準にも歩掛の記載はありますが、建設保全業務労務単価は労務費により特化した内容になっています。建設保全業務労務単価は年度ごとに内容が更新されるため、最新の情報を把握することも大切です。
 

 

■まとめ

積算は工事にかかる費用のみを算出するもので、見積もりは工事費用に利益額を加算したものです。積算は施工側にとって重要な数字ですが、見積もりを出す際にも不可欠な要素となります。同じような工事でも条件によって工事費用が異なるため、建設工事における積算は不可欠な作業なのです。適正な積算を行うには、入念な施工計画、周辺環境の考慮、状況に応じた歩掛の適用、適正な労務費の計算が必要です。どれが欠けても適正な工事費用が算出できないため、積算業務では慎重な仕事が求められます。

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この記事を書いた人

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